2020年9月20日(日) 神様と素敵な時間を

 おはようございます。高知県香美市にある山田教会で牧師をしています、高内信嗣と申します。
 今月のキリストへの時間では、今どきの若者の流行語をまとめた「2020年上半期女子中学生・女子高生流行語大賞」からお話をしています。

 その「コトバ部門」の3位に「おしゃピク」という言葉がランクインしました。「おしゃピク」とは「おしゃれなピクニック」という意味です。大人気モデルのローラさんがご自身のブログにアップした手作りご飯やおしゃれなグッズの写真がとてもおしゃれだと話題になったことから、若者の間で「おしゃれなピクニック」が流行したそうです。もともと2017年に一度、ブームがきていましたが、新型コロナウイルスの影響で、近くの公園や自宅の庭でのピクニック需要が増え、2017年の流行を上回るブームを巻き起こしています。

 やり方は簡単です。おしゃれな道具や食べ物を揃えて、ピクニックをするだけです。おしゃれなレジャーシートを敷き、おしゃれなサンドイッチを並べ、ドーナッツやお菓子にはかわいいフラッグを立てるのです。そしてそのおしゃれな様子を写真に撮ることも「おしゃピク」の大切な要素です。自粛ムードの中で、少しでも心を躍らせ、楽しむ、という若者の流行です。

 また、先ほどお話ししたランキングの第2位には「おうちカフェ」という言葉がランクインしていました。「おうちカフェ」とは文字通り、家の中でカフェの雰囲気を味わうことを指している言葉です。こちらも自粛期間中に、若者たちが少しでも家の中にいる時間を華やかにしようと、自宅でおしゃれなカフェ気分を楽しんだのです。外で思いっきり遊ぶことができない中でも、なんとか工夫して華やかでおしゃれな雰囲気を作り出す若者たちの努力が、とてもいいことだなと思いました。

 さて、聖書の中でイエス様は一つのお話をされました(以下、ルカ15:11-24参照)。ある息子が父親から財産を分けてもらい、父親のもとを離れ、好き勝手に遊び、その財産を無駄遣いしてしまった。そしてお金がなくなるだけでなく、その人がいた地方には飢饉が起こって、食べることにも困ってしまった。なんとか豚の世話をする仕事につきますが、豚の餌を食べてでもお腹を満たしたかった。けれども彼に食べ物をあげる者はいませんでした。

 彼はそこで我に返り、父親のもとに帰ることに決めました。そして息子としてではなく、雇人の一人にしてもらおうと頭を下げるつもりでした。息子が父親のもとに帰ると、まだ遠くにいた息子を父親は抱きしめたのです。そして彼に一番いい服を着せてあげて、パーティーを開いたのです。

 イエス様はこのお話を、私たち人間と神様との関係を表すためにお話しされました。父親のもとから離れていった息子は、私たちのことです。そして父親とは神様のことです。私たちは神様のところからどんどんどんどん離れていく、弱い存在です。しかし、私たちがどんなにボロボロになったとしても、神様は私たちがご自身のもとへ帰ってくることを望んでいます。そして神様は私たちのすべてを受け止めてくれて、私たちのために華やかで素敵なパーティーを開いてくださるのです。

 「おしゃピク」や「おうちカフェ」が流行っている時代ですが、誰もがおしゃれで素敵な時間を過ごすことはできません。ひもじく、おしゃれとはかけ離れた生活をしている方も多くいます。心が冷たくなってボロボロになっている方もいらっしゃると思います。でも、そんなあなたを神様は受け止めてくれます。その神様の懐にとどまることが、私たち人間にとって一番華やかで素敵な時間です。「おしゃピク」よりも素敵な神様との時間をぜひ、楽しんでお過ごしください。