2020年2月16日(日) イエスと出会った人々3「ザアカイ」

 おはようございます。広島教会の牧師、申です。一週間お元気でしたか。リスナーのあなたに神様の祝福がありますようにお祈りいたします。

 さて今日も引き続き、イエスと出会った一人の人物を紹介いたします。この人の名前は「ザアカイ」という人です(ルカ19:1-10参照)。彼の職業は税金を取り立てる徴税人の頭です。今でいえば税務署で働いている人です。今は振込用紙が来たら銀行やコンビニで支払えばよいのですが、当時は、税務署の人が一人ひとりの家に訪問して税金をもらって帰る、そういう仕事をする徴税人です。

 当時、イスラエルはローマの支配下にありました。税金を納める相手はローマ政府です。ローマ政府はイスラエルの税金を取り立てるために、イスラエル人、つまりユダヤ人を立てて税金を集めていました。徴税人はユダヤ人でありながらローマの手先の役割をしていました。だから、徴税人たちは同じユダヤ人に嫌われていました。特にこの仕事をするに当たって他の報酬があったのではなく、納めるべき金額以上に取り立てて、残りを自分の収入にしていたようで、ユダヤ人に歓迎されるはずがありません。ザアカイはこのような徴税人の頭で、金持ちでした。どのようにして金持ちになったのかはっきりとは記されていませんが、不正に税金を取り立てた可能性が高いです。

 ある日、イエスが自分の町に来るという噂を聞いて、どんな人であるのか見に行こうと思いました。なぜそう思ったのか分かりません。イエスの弟子の中には徴税人から弟子になった人がいたので、興味が湧いてきたかもしれません。なぜならば、他のユダヤ人たちは自分たちのような徴税人を全く相手にしてなかったからです。

 背か小さいザアカイは、群衆にさえぎられてイエスの姿が見えなかったので木の上に登りましたが、イエスがちょうどその木の横を通りました。そして、イエスが木の上のザアカイを見かけると「降りてきなさい。あなたの家に泊まりたい。」(5節)とおっしゃいました。ザアカイはユダヤ人からこのような声かけを一度も聞いたことがありません。ユダヤ人たちは徴税人たちを「罪人」扱いをしていたからです。そんな自分に声をかけて「自分の家に泊まりたい」と言っているこのユダヤ人に、驚きと喜びが湧いてきました。

 多くのユダヤ人が「イエスが罪人の家に入った。」とつぶやいている中、ザアカイはそのことを全く構わず、自分のことを受け入れてくれたイエスに感銘を受け「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、誰かから何かだまし取っていたら、それを4倍に返します。」(8節)と言いました。イエスは「今日、救いがこの家に訪れた。」(9節)とおっしゃり、ご自分がこのような失われた人々を救うために来られたことをお語りになりました。

 それ以降のことは聖書には何も出ていませんが、きっとこのザアカイは徴税人の仕事をやめてイエスに従ったか、あるいは正直に徴税人としての新しい人生を始めたに違いありません。
わたしの知人の中には、元ヤクザだったのですが今は牧師として働いている人が何人かいます。彼らのヤクザの時の写真と牧師になってからの写真を比べてみると、不思議にも顔が違います。同じ人なのに全く違う顔付きをしています。イエスと出会って中身だけ変わったのではなく、見栄えも変わったのであります。

 そのように人の人生を新しく変える神の力を、今日も、日曜日の礼拝を通して体験してみませんか。ぜひ近くの教会に行ってみてください。きっとあなたの来会を歓迎してくださると思います。