2017年2月12日(日) 乗り換えは間違ったと思った時

 おはようございます。広島教会の牧師、申成日です。
 「今このバスはヤンピョン行きのバスです。もし、乗り間違いをされた方がいらっしゃるならば、次のバス停で降りて正しいバスに乗り換えてください。」
 これは、今から20数年前に、わたしがまだ韓国の神学大学に通っていた頃、バスの中で席から立ち上がって乗客の皆さんに語り始めたわたしの言葉でありました。当時、わたしが通っていた神学校には伝道に燃えた学生が多く、一つの自主的な伝道訓練としてこのような伝道を行いました。
 それを始めるのは、自分が降りる5分ほどの前です。まず、運転手さんに了解を頂いて、皆さんにガムやキャンディーを配り、それから語り始めます。そして一番最初に語ったのが先の言葉でした。それから続いて「同じように、皆さんの人生は正しい目的に向かっているでしょうか。もし、方向が間違ったと思うならば、今すぐ方向転換をしましょう。今からわたしたちの人生を正しい方向へと導いてくださる方を紹介したいと思います。」
 そのようにしてわたしの5分間のメッセージが始まり、最後には「どうか皆さんが目的地まで無事にたどり着きますように」と挨拶をしてバスを降りることになります。

 聖書の中には、今まで自分の生き方の間違いを気付かされて、人生の方向転換をした人の話が数多く出てきます。イエス様の弟子となったペトロもその一人でありました。
 彼は、ベテランの漁師でした。魚を取ることにはプロであります。しかし、ある日のこと、夜通し網を下ろしましたが、魚一匹も取れなく朝方に網を洗っている時に、イエス様と出会いました。そしてイエス様に「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われました。
 イエス様については、姑の病気を癒してくださった方ですからすでに知っていましたが、このイエス様の言葉は、漁師としては常識外のことであるし、しかも夜通し漁をしましたから、大変疲れていたはずであります。
 しかし、ペトロは「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と言って、言われた通り沖に出てもう一度網を降ろしました。おそらく、ペトロの心の中には「こんなことして魚が取れるはずがない」と思ったでしょう。

 ところが、漁師たちが網を降ろすと、網が破れるほど沢山の魚がかかりました。魚は二そうの舟いっぱいになりました。それを見てペトロはイエスの足もとにひれ伏して「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」と言ったのです。
 漁師の常識から考えて、イエス様の言葉をあざ笑うかのような姿で網を降ろした自分の傲慢さを悟った時、彼は自分の罪深さを告白せざるを得ませんでした。
 そこで、イエス様は彼に新しい人生の目標を与えてくださいました。「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる。」この言葉を聞いてペトロはイエスに従うようになりました。これがまさに彼の人生の方向転換であったのです。

 ここで改めてこの放送を聞いておられるあなたにお聞きしましょう。あなたが乗っている人生という電車は正しい方向へと向かって走っているでしょうか。もし、間違った人生だったと思うならば、そう思う時が方向転換をする一番早い時です。今すぐその電車から降りて正しい目標に向かう電車に乗り換えましょう。

 イエス様は、わたしたちの創造者である神様に向かう正しい道への案内者であります。その方にわたしたちの人生を委ねるならば間違った方向に向かうことはありません。今すぐにイエス・キリストへと乗り換えてみませんか。イエス様はあなたの御乗車を心待ちにしておられます。