2016年2月28日(日) 再び導かれて
皆様、おはようございます。高知教会の土橋千歌と申します。
先日、わたしは『どろがめ』という小説を読みました。
小説の主人公、亀松さんは優秀な魚屋でしたが、いわゆる、飲む・打つ・買うの三拍子が揃った人生を送っていました。
やがて息子の勇吉の妻うたさんを通じて神様の存在が気になり始めました。神様は本当にいるのか、亀松さんは断食を始めました。神様、本当にいるなら自分にその存在を示して欲しいと…空腹に耐えられなくなった数日後、亀松さんの耳に聞こえてきました。「まだ気付かないのか、私に!」という力強い声が響いてきたのです。
その後、亀松さんの人生は大きく変化しました。飲む、打つ・買うからきっぱり縁を切り、仕事に精を出すようになりました。暗く荒れていた家庭に笑顔があふれるようになりました。亀松さんだけでなく、家族が、周囲の人々が変わっていきました。
この本を読み終えた後、私はあふれる涙をおさえることができませんでした。それはなぜかと言いますと…亀松さんは素直に神様を信じて一生を終えたということに心を打たれたからです。一方で我が身を振り返れば、神様を信じていると言いながら、自分のしたいこと、自分の思いを優先していきていたということを示されたからです。
イエス様を信じ、この方に従ってこれからの人生を生きていこうと決意し、10数年前に洗礼を受けました。自分の思いよりも神様や周りの人に従う生き方を選びます、と固く誓ったはずなのに…今の自分はそれとは遠くかけ離れた姿をしていることを思い知らされました。何と情けない…そんな思いが私の胸を深く貫きました。
しかし、この本を通して神様は私にチャンスを再び与えてくださったことも確信しました。不真面目で口先だけの人間、クリスチャンになっていた私を神様は心から憐れみ、本を通して私の心に働きかけてくださったのです。もしそのままであったなら…考えるだけで恐ろしいです。
こういった経験をしながらもこれから先の人生、また右に曲がり、左にそれることがあるでしょう。しかし、一時は惑わされても、向くべき方向を向き歩んでいきたい。そう強く願うのであります。
ラジオをお聴きの皆様へ、今これからの人生、どう生きたらよいのか迷っておられるなら、自分はどうしようもないとお思いなら、それは神様が与えてくださったチャンスかもしれません。
ぜひ、教会のドアを、神様の心のドアをノックしてみませんか?