2015年3月1日(日) 見よ、わたしはあなたと共にいる

 おはようございます。忠海教会の唐見敏徳です。はじめて「キリストへの時間」でお話しいたします。

 皆さんは今、どこでこの放送を聞いていらっしゃるのでしょうか。私は今、広島県竹原市にある忠海という町にいます。忠海は人口5,000人足らずの瀬戸内の小さな町です。瀬戸内海を挟んで、愛媛県今治市の向かい側にあります。忠海港からフェリーに乗れば25分で大三島です。教会は駅前から北に延びる坂道を15分ほど上った小高い場所にあります。ここから本州と四国を結ぶしまなみ海道の橋がよく見えます。今月は今日を含めて5回、ここ忠海から皆様にお話しいたします。

 さて、「キリストへの時間」で語る機会が与えられることになり、その準備の過程で、いままであまり意識することのなかった高知の教会とクリスチャンとのつながりをいろいろ発見しました。今朝はその発見の一つを皆さんとシェアしたいと思います。

 私は牧師としてこの町にある忠海教会と、またチャプレンとして社会福祉法人聖恵会という障害者・高齢者福祉施設に仕えています。実は、忠海教会の会堂、そして聖恵会の建物の多くを設計してくださり、また法人の監事を20年の長きにわたって務めてくださったのが、まさに高知出身のあるクリスチャンだったのです。その方の名前は、常石勝世さん、といいます。付け加えるなら、その方の信仰を養い育てた教会は、「キリストへの時間」を始められたアメリカの南長老教会ミッションの働きによって建てられた教会でした。

 その方はかつてこの番組でお話をされたことがあるのでないかと、私は思っています。また、今この番組をお聞きのリスナーの中にも、その方のことをご存じの人もいらっしゃるのではないかと思っています。もし実際に話されたことがなかったとしても、ふくいんのなみのホームページ上で聞くことができる過去10年間の放送の中に、その方と交わりのある人の名前を数多く見つけることができます。

 常石勝世さん、その方は1924年、明治から続く土佐のクリスチャンホームに生まれ、職業である建築家としても、所属する教会の役員としても、また聖恵会を含めていろいろなキリスト教主義の団体の理事としても、本当に素晴らしい歩みをなさいました。そして2010年8月4日、神様があらかじめご計画しておられたとしか考えられないような仕方で、ご夫婦そろって天に召されました。一年後、ご遺族がお二人の記念文集の出版を計画されたとき、聖恵会で印刷・製本させていただきました。

 珠玉のようなクリスチャンの信仰の証がたくさん詰まっているこの文集の表紙には、創世記28章10節以下のヤコブの夢の場面が描かれています。15節にはこのように書かれています。「見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを果たすまで決して見捨てない。」

 珠玉のようなクリスチャンの信仰の証がたくさん詰まった記念文集を読み返しながら、主イエス・キリストを信じて生きる人生の素晴らしさを、改めて感じます。その人の歩みを、神は共にいて守ってくださいます。