2014年7月13日(日) 神に用いられた青年ヨセフ
おはようございます。宿毛教会の酒井啓介です。
今朝も聖書のお話ができることを、感謝しています。
今朝は、旧約聖書の創世記に登場するヨセフという男性の若者についてお話をします。彼を通して神が働いていました。イメージをしながらどうぞ聞いてください。
17歳の青年ヨセフは、12人兄弟の下から二番目で、親が年をとってから産まれた子だったので特にかわいがられていました。一方、兄たちは自分よりかわいがられるヨセフに対して嫉妬していました。
ある夜、ヨセフは夢を見て、自分の親や兄弟たちが自分に仕えるという意味の夢を見て、家族に話すと、兄弟たちは非常に不愉快になります。父親は驚きつつも、その話の内容を心に留めていました。この夢は、神がこれからなさることを表していたと、後で気づくことになります。
その後のある日、兄弟たちの怒りがヨセフに向けられました。兄たちが草原で家畜の世話をしているところへ、父が様子を見に行くために自分の代わりにヨセフ一人を遣わしました。ヨセフが様子を見に行きます。すると兄たちはヨセフ一人ということに気がつき、捕まえて拘束しました。ちょうどその頃、エジプトへ行く商売人たちが通り、兄たちの心に良からぬ思いがわき起こりました。ヨセフを奴隷として売ろう。こうしてヨセフは売られ、兄たちはそのお金を受け取りました。父親にはこのことをごまかし、ヨセフは道中、野獣に殺されたと説明したのでした。ひどい話ですが、神はヨセフを通して不思議なことを実現していきます。
ヨセフは奴隷として売られた後、エジプトへ連れて行かれました。見知らぬ世界へ来て、それは不安で仕方ありません。家族も知り合いもいない。自分はどうなってしまうのだろうか。そのただ中で、ヨセフは神に忠実であろうとし、神の目に罪とうつることはしないように決めていました。
ヨセフの買い手が決まり、ファラオの側近の家の奴隷になりました。そこで働き始めますが、自分の文化と違うエジプトでの仕事です。慣れないことがたくさんあったでしょう。もともとエジプトに住んでいた他の奴隷よりも知らないことだらけで、負い目も感じていたかもしれません。ただヨセフは孤独を感じながらも、神に忠実であろうと努めます。そしてそのことはやがて、他の奴隷と比べ歴然とした差を生むことになりました。
ヨセフには特別な技術があったわけではなく、わたし達と同じ人間ですが、聖書には、「主がヨセフと共におられたので、彼はうまく事を運んだ。」(39:2)とあります。何をしても、神がうまく計らってくださり、やがてヨセフはその家の奴隷の長になり、主人の全財産の管理を任されました。そのような中で、ある日、ファラオの側近の妻が近づいてきて、ヨセフを誘惑しようとしました。それに対してヨセフは、神に罪を犯すことはできません、と言って断わると、妻は怒り、その結果ヨセフは投獄されてしまいました。誘惑されそうな環境でなお、ヨセフを律したのは、「神に罪を犯すことはできない」という思いでした。
投獄されても、主なる神はヨセフと共にいて、ヨセフのすることを祝福し、やがて、牢の監守長はヨセフを信頼し、囚人をとりまとめる働きをまかせるようになったのです。
このように、ヨセフは試練と困難を受けてもその都度、神が共にいて、することをすべてうまく計らってくださいました。
ここまでの間、何年もの年月が流れています。苦しいことや理不尽なことはたくさんあり、今も続いているでしょうが、それらの苦しみを越える祝福を主は与えてくださいます。
ある日、ファラオの別の側近が二人、ファラオの怒りをかって投獄されました。牢の中で彼らが不可解な夢を見て悩んでおり、ヨセフは神の力によって夢を解き明かすと、解き明したとおりに実現しました。この側近の内の一人は元の職に復帰します。今度は、ファラオ自身も不思議な夢を見て悩み始めました。するとこの側近がヨセフを紹介し、牢からヨセフが出されファラオの前に出されました。そして、ファラオの夢を見事に解き明かし、ヨセフはエジプトの全権を握るファラオの信頼を得ることになりました。
そして、その後、ヨセフは国の命運を決定する大きな働きへ用いられることになります。続きはまた次週お話します。
神は、わたし達に試練を与えます。それは、その後の大切な働きに備えさせるためです。その備えは、どんな時も、神に忠実であろうとすること。これが、わたし達の最高の備えになります。