2012年11月11日(日) 主に仕える

 おはようございます。静岡キリスト教盲人伝道センターの新貝香織です。
 今朝も清々しい朝を迎えました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 点字図書館では、点字図書または音声CDを活字図書を読むことが困難な方に、全国各地へ郵送で貸出しを行っています。例えば、目が不自由ではないけれども、入院なさっている方でパソコンで音声をお聞きになる方もおられますし、高齢のために字が読みづらくなり、音声読書をなさっている方もおられます。約3000タイトルのキリスト教関係図書が蔵書としてあります。また、全国の点字図書館がオンラインで結ばれていますので、図書の検索もお手伝いいたします。ご希望の図書がどこにもないときはリクエストしてください。キリスト教関係の図書でしたらセンターで製作いたします。

 全国におられるボランティアの方々がご家庭で日を決めて、あるいは毎日の貴重な時間の合間をぬって、あるいは家事やお仕事を終えた後、心静かに点訳に、あるいは音訳録音のために机に向かって下さっています。誰しも忙しい日々もあり、疲労を覚えるとき、病の日々もあり、何かと困難の重なるときもあります。そういう日々の中で、長期にわたって点訳や音訳、あるいは校正作業に親しむことは並大抵のことではないと思います。それは、神様の御言葉と恵みにお応えすること以外の何ものでもありません。

 ローマ書12章9節から11節にこのような言葉があります。
「愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善に親しみなさい。兄弟愛をもって心から互いに愛し合い、尊敬をもって互いに人を自分よりまさっていると思いなさい。勤勉で怠らず、霊に燃え、主に仕えなさい。」(新改訳聖書)

 福音に仕える奉仕はこのような神様の言葉に学びつつ、キリストの恵みに与りつつ、神様にお仕えする奉仕です。ただそこにだけ奉仕の継続の力の源泉があると思います。センターは点訳・音訳して下さる方々の継続的な誠実なボランタリーな働きによって、今日まで歩んでくることが出来ました。また、そのように製作された図書を多くの方々が読んで下さることによって、センターの働きは継続されています。本当に感謝です。

 人間誰しも新しいことに挑戦しようとすると必ず自分の限界を意識せざるを得ないと思います。
 目が見えず、耳が聞こえず、言葉も話せない、三重苦を克服して世界に羽ばたいたヘレン・ケラー女史がおられます。子供の頃、手のひらに注がれた井戸水を感じながら、サリバン先生から「水」ということばを習ったヘレンは、物には名前があることを知り、それから猛勉強を始め、世界に羽ばたく偉大な人物に成長しました。
 「わたしは嬉しくなり、自分の中に力を感じ、どんな限界にも負けないという自信が湧き上がって来ました。それまでは、閉じ込められてきた光も音もない牢獄から開放された気がした」という感想を述べておられます。

 神様は流した涙を一粒のからし種のように用いて下さり、その悲しみを通してご自身のすばらしいご支配を始めて下さいました。わたしたちは、このようにして神様がわたしたちに与えて下さいましたこれらの尊い働きが、これからもセンターの働きとして、共に継続、進展して行けますように努めていきたいと思います。
 お一人おひとりがセンターの働きに直接触れ、心に覚え、祈り始めて下さること、そのことの意味は決して小さくありません。神様のご支配はそのような小さなところから始まって、やがて大きく成長してゆくことを願っております。