2012年3月25日(日) 不可能を可能とされる神様

 お早うございます。芸陽教会の宮武輝彦です。
 3月から4月にかけて、入学や就職で環境が変わる方も多いことと思います。中には、住み慣れた土地を離れて新しい土地での生活がはじまった方もおられることでしょう。

 旧約聖書の創世記12章には、アブラム、後のアブラハムという信仰の人の物語がこのように書かれています。
 「主はアブラムに言われた。『あなたは生まれ故郷、父の家を離れて、わたしが示す地へ行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を高める。祝福の源となるように。』」
 アブラムは、この主である神様の言葉に従ってカルデヤのウルを旅立ちました。そのとき75歳でした。妻のサライ、甥のロトを連れ、蓄えた財産をすべてたずさえ、カナン地方に入ったときのことです。「主はアブラムに現れて」言われました。「あなたの子孫にこの土地を与える」と。そこで、「アブラムは、彼に現れた主のために、そこに祭壇を築いた」のでした。
 このように、アブラムはどこに住むことになるのか、行き先も知らないままに、ただ主なる神様の言葉に従って故郷ハランを出発しました。そして、主なる神様からの約束の言葉を受けて、新しい土地での生活を始めることになります。

 また創世記15章には、さらにこのように、主なる神様からの言葉が幻の中でアブラムに臨んだことが書かれてあります。
 「恐れるな、アブラムよ。わたしはあなたの盾である。あなたの受ける報いは非常に大きいであろう。」
 このとき、アブラムは自分には子どもがなく家の僕が跡を継ぐことになっていると神様に言いました。このとき、主の言葉がありました。「その者があなたの跡を継ぐのではなく、あなたから生まれる者が跡を継ぐ」と。そしてこのとき、主なる神様はアブラムを外に連れ出して言われました。「『天を仰いで星を数えることができるなら、数えてみるがよい。』そして言われました。『あなたの子孫はこのようになる。』」
この神様からの言葉を聞いて「アブラムは主を信じ」、「主はそれを彼の義と認められた」のでした。

 さらに創世記17章には、アブラムが99歳のとき、主なる神がアブラムに現れて言われたときのことが書かれています。
 「わたしは全能の神である。あなたはわたしに従って歩み、全き者となりなさい。わたしは、あなたとの間に契約を立て、あなたをますます増やすであろう」と神様はアブラムに約束されます。そして、神様とアブラムの契約の名として、アブラムではなくアブラハムと名乗るように命じ、割礼をもって神様とアブラハムとの契約をしるすように命じられました。そして、妻サライもサラと呼ぶように命じられ、約束の子イサクの誕生を予告されるのです。そして、アブラムが100歳、サライが90歳のときに神様の救いをしるす、約束の子イサクが二人の間に誕生します。
 そして、信仰によってアブラハムは試練を受けたとき、イサクを神様にいけにえとしてささげようとしました。「アブラハムは、神が人を死者の中から生き返らせることもおできになると信じたのです。それで彼は、イサクを返してもらいましたが、それは死者の中から返してもらったも同然です。」(ヘブライ書11:19)

 イエス・キリストは、「わたしたちの罪のために死に渡され、わたしたちを義とされるために復活させられたのです」(ローマ書4:25)。死者を復活させられる神様を信じるとき、わたしたちは新しい力を得て、見えない神様を見るようにして生きる者に変えられます。あなたも、アブラハムと同じように不可能を可能とされる神様を信じて、新しい命を得て、天にある希望をともに歩んでいきましょう。