2007年12月2日（日）クリスマスの祝福

おはようございます。安芸にあります芸陽教会の宮武輝彦です。今月はクリスマスを迎えます。クリスマスはイエス・キリストのお生まれになったことをお祝いする日です。このお祝いにちなんで聖書の御言葉に共に耳を傾けていきましょう。

さて、クリスマスのお祝いは、世界中の人々がこぞってお祝いするものですが、その喜びはどこから湧いてくるのでしょうか。イエス・キリストのお生まれになったときの様子については、とくに新約聖書のマタイによる福音書とルカによる福音書の初めの方に詳しく書かれています。マタイによる福音書には、「アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図」と書き出されています。そして、アブラハムの子孫、ダビデの子孫を代表する幾世代にもわたる人々の名前が書かれています。

このように、今から2000年ほど前にお生まれになったイエス・キリストの誕生は、それよりずっと前からの何世代にもわたって神さまの祝福が受け継がれることによってもたらされたことであることを聖書は物語ります。このイエス・キリストの系図の節目に出てくるアブラハムも、ダビデも、神さまが選ばれて特別の救いの約束を結ばれた人物です。アブラハムという人のことは、旧約聖書の創世記に、また、系図の二つ目の節目に出てくるダビデのことはサムエル記などに書かれています。アブラハムもダビデも、神さまからの恵みによる救いの約束を直接与えられた人で、神さまのおっしゃることに従って多くの祝福にあずかった人でした｡

アブラハムは、あるとき、主なる神さまから、「わたしはあなたを大いなる国民にし、あなたを祝福し、あなたの名を高める。祝福の源となるように。」（創世記12章2節）との祝福の約束をいただきました。また、主なる神さまから祝福の約束をいただいたダビデは、感謝してこのようにおいのりしました。「主なる神よ、あなたは神、あなたの御言葉は真実です。あなたは僕にこのような恵みの御言葉を賜りました。どうか今、僕の家を祝福し、とこしえに御前に永らえさせてください。主なる神よ、あなたが御言葉を賜れば、その祝福によって僕の家はとこしえに祝福されます。」（サムエル記下7章28-29節）と。

この神さまの約束された祝福は、アブラハムとダビデだけでなく、その間の幾世代にもわたって引き継がれていくことになりました。マタイによる福音書のはじめに書かれているイエス・キリストの誕生を証明するこの系図の終わりには、このように言われています。「ヤコブはマリヤの夫ヨセフをもうけた。このマリヤからメシヤと呼ばれるイエスがお生まれになった。」（マタイによる福音書1章16節）幾世代にわたって、このように神さまはアブラハムとダビデと結ばれた祝福の約束をついにはイエス・キリストの誕生において成し遂げられた、と言うのです。

わたしたちはこのようなイエス・キリストの誕生に至るまでの祝福の歴史を聖書から知れば知るほど、クリスマスとはイエス・キリストのお生まれになったことをただお祝いする日ではなく、イエス・キリストのお生まれには、神さまの深いお考えがあり、それが幾世代にわたって、神さまの特別に祝福された人々の中に受け継がれることによって、実現したことを知ることができます。

今、わたしたちがイエス・キリストを「アブラハムの子、ダビデの子」として知ることは、わたしたち自身も、イエス・キリストを神さまの約束された救い主と信じることにおいて、アブラハムやダビデ、また、多くのいにしえの神さまに祝福された人々と同じように、神さまの祝福にあずかる「神の子」とされることです。それは、イエス・キリストを神さまご自身の愛するひとり子として受け入れるとき、わたしたちは神さまの恵みによって新しい生命をいただいた「神の子」とされ、イエス・キリストの内にある尽きる事のないすべての祝福にあずかる者とされるからです。ぜひ、あなたも、この神の祝福にあずかり、新しい生命に生かされますように、心より願っています。