2007年5月27日(日)五旬祭の日に実現した神の約束
おはようございます。安芸にあります芸陽教会の宮武輝彦です。
今日は世界中のキリスト教会で、「ペンテコステ」と言って約束の聖霊が降ったことを覚えて礼拝がささげられます。ペンテコステとは、五旬祭という意味です。イエス・キリストが今から2000年前にユダヤのエルサレムで十字架に死なれ、三日目によみがえられた後、弟子たちに現れて、40日後に天に上げられ、その10日後、つまり、復活から50日目に、エルサレムに集まっていた弟子たちの内に、天から聖霊が降ったことを特に覚える日です。
新約聖書の使徒言行録2章には、この聖霊が降ったときの様子がこのように書かれています。「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いてくるような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。」(1−3節)それはほんとうに不思議な光景でした。
そして、この聖霊に満たされた人々は、ほかの国々の言葉で、神さまの救いのお働きを語りだしたのでした。世界各地からエルサレムに集まっていたユダヤ人は、それぞれが生まれた故郷の言葉で、ガリラヤの人々が神さまの業を語るのを聞いてあっけにとられました。
すると、イエス・キリストを宣べ伝えるように使徒とされたペトロという人は、「ユダヤの方々、またエルサレムに住むすべての人たち、知っていただきたいことがあります。わたしの言葉に耳を傾けてください。」(2:14)と語りかけ、とても大切なことを人々に伝えはじめたのです。
それは、この不思議な光景は、実に聖書の言葉の実現であり、神さまの霊が人々の内に降ったのであること、そして、キリストの名を求める者は皆救われること、ナザレの人イエスこそ、神様から遣わされたほんとうの救い主であることでした。その中で、ペトロは「神はこのイエスを復活させられたのです。わたしたちは皆、そのことの証人です。それでイエスは神の右に上げられ、約束された聖霊を御父から受けて注いでくださいました。あなたがたは、今このことを見聞きしているのです。」(2:32-33)と言い、エルサレムの人々は十字架につけて殺したイエスを、イエスを遣わされた神さまが救い主とされたことを身をもって証しし、宣べ伝えたのでした。このペトロの話を聞いた人々は、とても心を打たれて、神に立ち帰って洗礼を受け、この日に3000人もの人々が仲間に加わったのでした。
このペンテコステと言われる五旬祭の出来事は、キリストの教会の始まりを告げるものであり、まさに、この時からキリストの教会は、世界中の人々に、イエス・キリストの福音を宣べ伝えるように、絶えず聖霊によって導かれてきました。
この聖霊について、イエス・キリストは十字架に至るご生涯の中でこのように弟子たちに約束されました。「父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。」(ヨハネ14:26)。
まさに、このイエス・キリストの言葉のとおり、聖霊に満たされたペトロと弟子たちは人々にイエス・キリストの教えてくださった神さまの約束の実現を伝えたのでした。今、わたしたちも、イエス・キリストの福音に聞くとき、この聖霊のお働きによって信仰に導かれます。キリストを見たことがなくても、このうえない喜びに溢れて、魂の救いを受け心から神さまをほめたたえる者に変えられるのです。