2020年7月11日(土) 笑顔と悲しみ
おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
「笑い」について扱った聖書の言葉の中に、興味深い言葉があります。「笑っていても心の痛むことがあり、喜びが悲しみに終ることもある。」旧約聖書箴言14章13節の言葉です。
「笑う」ことと「心が痛む」こととは正反対のことです。「喜び」と「悲しみ」も正反対です。しかし、皮肉なことに人生には正反対なことが同居していることが多々あります。笑顔や喜びがいつまでも続いてほしいとは、誰もが願うことです。しかし、現実には喜び半ばにして、悲しい出来事に遭遇することがあります。笑顔の人だと思っていたら、その笑顔の裏には心の深い悲しみがあることだってあります。箴言の言葉は、そういう人生のパラドクスを教えているように思います。
この箴言の言葉は、人生経験を積み上げるほどに味わい深いものとなるのだと思います。年を重ねるほどに共感をもって読まれることでしょう。では、箴言がこの人生のパラドクスを通して何を伝えたいのでしょうか。人生の不条理についてでしょうか。そうではありません。箴言の作者が我が子に伝えたいことは、不可解に満ちた人生の中で、まことの神を畏れて生きる生き方です。
きょうの聖書の言葉…「笑っていても心の痛むことがあり、喜びが悲しみに終ることもある。」箴言14章13節