2020年1月18日(土) 語り継ごう
おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
太宰治や宮沢賢治など、東北出身の作家が優れた作品を残すことができたのはなぜか、その理由について面白い意見を聞いたことがあります。それは雪に閉ざされた冬の長い間、囲炉裏端で繰り返し繰り返し、祖父母から受け継がれた話を聴かされてきたからだろう、ということでした。
今では雪が降ろうが、雨が降ろうが、家の中に閉じこもっていても、テレビやラジオを通して、次々と楽しい娯楽が家の中に押し寄せてくる時代です。情報が飛び交い、いつのまにか忘れ去られていく時代です。じっくり出来事の意味を考えたり反省したり、自分のうちに吸収させている暇もないほどです。
旧約聖書の詩編を読んでいると、先祖から子孫へと語り継がれることの大切さを歌った詩に出会います。それも、何百年という単位の長さにわたる語り継ぎです。神が自分たちになしてくださった大きな恵みのみ業を、何百年にもわたって反芻し、味わっています。時代を超えて語り継がれてこれたのは、決して古びない真理があったからでしょう。あなたにとって、世代を超えて語り継いでいきたいもの、それはいったい何でしょうか。
きょうの聖書の言葉「子孫に隠さず、後の世代に語り継ごう、主への賛美、主の御力を、主が成し遂げられた驚くべき御業を。」旧約聖書詩編78編4節