2018年8月11日(土) 自分を支える確かな拠り所
いかがお過ごしですか。三川栄二です。千葉の稲毛海岸教会で牧師をしています。
友人と石巻月の浦にあるサン・ファン・バウティスタ号を見学に行きました。震災の被害に遭って閉館中でしたが、大海原へと船出していった船を見つつ、それに乗船して遠くメキシコ、スペイン、ローマへと旅立って行った支倉常長に思いを寄せました。
大国スペインとの貿易条約締結という大任を任せられて、大海原へと出て行った支倉達一行がどんな思いでこの小さな入り江から出て行ったのだろうかと思いを馳せました。
交渉を有利に進めるために洗礼まで受けた支倉でしたが、彼らが戻って来たときには日本はキリシタン禁教令の許にあり、条約締結を果すこともできず、キリシタンとなった支倉は、帰国後は蟄居に近い扱いを受け、その子孫も冷遇されました。
しかし最初はあくまでも条約締結という便宜的な理由から受けた洗礼でしたが、晩年の不遇をかこつ(嘆く)支倉を支えたのは、信仰だったと伝えられています。博物館に残された彼の肖像は十字架像に向かって一心に祈っている姿です。どんな不幸に直面しても、そこで自分を支える確かな拠り所を持つ人は幸いだと思います。