2016年11月5日(土) 雨ニモ負ケズ(1)キリストの香り
おはようございます。仙台カナン教会の國安光です。
今月は、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」から、キリスト教についてお話していきたいと思います。
「雨ニモ負ケズ」は、東北の私たちにとっては、魂の歌といってもよい詩でしょう。震災後、この詩はラジオやテレビでたびたび読まれ、私たちに何度も勇気をくれました。
「雨ニモ負ケズ」には、一人の人物が描かれていきます。最近では、賢治にとってモデルになった人がいた、とも言われ、それは斎藤宗次郎という、クリスチャンの方であると言われています。
斎藤は花巻で暮らし、牛乳や新聞を配達しながら生活をしていた人でした。賢治は、斎藤ととても親しい仲にあり、賢治にとってかけがえのない友であり、心から尊敬する人物であったと思われます。
賢治の作品には、キリスト教の香りがいろいろな形でかもし出されていきますが、これはおそらく、斎藤という一人のクリスチャンからの影響ではないかと言われています。
聖書にはこういう言葉があります。「神は、わたしたちをいつもキリストの勝利の行進に連ならせ、わたしたちを通じて至るところに、キリストを知るという知識の香りを漂わせてくださいます」(2コリント2:14)。
賢治が斎藤に惹かれたのは、斎藤の人柄から感じるキリストの香りが芳しく、美しかったからではないでしょうか。神様の愛はそのようにして、人から人へと届けられていきます。あなたにも、キリストの香りが届きますように。