2012年1月14日(土)健気なピアノの命
おはようございます。爽やかなお目覚めでいらっしゃいますか。石巻教会の白津景蔵です。
私の教会には波濤万里遠く、アメリカから船に乗って太平洋の荒波を乗り越えてやって来た一台の古いピアノがあります。東日本大震災後の日曜日の教会の朝の礼拝の時、床上まで泥水につかり、オルガンも使えなかった状況の中でこの古いピアノは健気にも音を出すことが出来ました。そして、礼拝における讃美歌の伴奏という大切な役目を立派に果たしました。そして、礼拝に出席した人々は感激の涙と共に感謝の祈りを捧げました。
そのピアノにはジークフリード エンド ソンズ、シカゴと言う文字と、ピアノの中にはミルウォーキーと言う文字が記されていました。仙台のあるミッションスクールで聖書を教えられた婦人宣教師が持って来られたものだということしかわからず、それ以上の歴史を辿ることは出来ませんでした。教会の片隅で静かにひっそりと余生を送っていたようなピアノに、神はもう一度命を吹き込み甦らせて礼拝における賛美の伴奏という重要な役目を与え、豊かに用いてくださいました。
イエス・キリストの父なる神は、希望を失い失意の中に置かれた者の唇に讃美の心と歌を通して、憐れみと愛を与え、逆境にあっても一人びとりを確かに奮い立たせ、前進させてくださるのです。