2011年9月10日(土)目に見えないものへの「信仰」
いかがおすごしですか。三川栄二です。
サン・テグジュペリの書いた『星の王子さま』という本の中で、ある星から来た王子さまが、友だちのきつねから、こう言われる場面があります。「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」。
わたしたちは、目に見えるものばかりに心を捕らわれて生きてきたかもしれません。家や財産、車や人。しかし、そうしたものがもぎ取られる経験をしました。それは何も物ばかりではありません。仕事や人間関係、生きがいや周りの状況、そうした目に見えるものに依存し、それを拠り所として生きてきました。しかし、そうしたものが一瞬にして奪い取られ、失われていくことを経験する中で、本当に大切なものとは何か、本当に拠り所とするべきものは何かということへと、思いを向けさせられていくのではないでしょうか。
聖書は語ります。「信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させる」(ヘブル11章1節)と。目に見えるものではなく、目に見えないものにこそ、確かさがあり、それを確信させるものが信仰だと言うのです。「信仰と希望と愛、この三つは、いつまでも残る」(一コリント13章13節)。この信仰こそ、いつまでも残るものです。目には見えない、しかし確かなものに依り頼んで、今日を生きていきたいと思います。