2007年12月28日(金)語り継ごう

ご機嫌いかがですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
町を行く人たちの様子は、どことなく気ぜわしさを感じます。

先日読んだ本の中に、こんなことが書かれていました。太宰治や宮沢賢治など、東北出身の作家が優れた作品を残したのは、雪に閉ざされた冬の長い間、囲炉裏端で繰り返し繰り返し祖父母から受け継がれた話を聴かされてきたからだろう、ということでした。
今では、雪が降ろうが、雨が降ろうが、家の中に閉じこもっていても、テレビやラジオを通して、次々と楽しい娯楽が家の中に押し寄せてくる時代です。情報が飛び交い、いつのまにか忘れ去られていく時代です。たった今年の初めに起こった事件でさえ、年の暮れには、そんなことあったのか、というくらい情報の回転が速くなっています。じっくり、出来事の意味を考えたり、反省したり、自分のうちに吸収させている暇もないほどです。

旧約聖書の詩編を読んでいると、先祖から子孫へと語り継がれることの大切さを歌った詩に出会います。それも、何百年という単位の長さにわたる語り継ぎです。神が自分たちになしてくださった大きな恵みのみ業を、何百年にもわたって反芻し、味わっています。
一年最後の日、あなたも語り継がれた神の恵みの証言、聖書の言葉をじっくり味わってみてはいかがですか。

きょうのみ言葉・・・「子孫に隠さず、後の世代に語り継ごう 主への賛美、主の御力を 主が成し遂げられた驚くべき御業を」 旧約聖書詩編78編4節