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ハバクク1章
「神は神の民を叩きのめす」


律法は無力となり
正義はいつまでも示されない。
神に逆らう者が正しい人を取り囲む。
たとえ、正義が示されても曲げられてしまう。
(ハバクク 1章4節)

 ハバククは紀元前7世紀に生きた預言者です。ユダの民の悲惨と不条理を神に激しく告発する言葉から始まります。「主よ、わたしが助けを求めて叫んでいるのに、いつまで、あなたは聞いてくださらないのか。わたしが、あなたに『不法』と訴えているのに、あなたは助けてくださらない」。

 この時代のユダの人びとの心は神を離れ、「律法の民」とは言えない状況でした。暴虐と不義が横行し、貧しい者はかすめられ、富む者は富み栄え、為政者は顧みることはない。今日の我が国の惨状と似ています。

 それに対する神の応えがこれです。「大いに驚くがよい。お前たちの時代に一つのことが行われる。それを告げられても、お前たちは信じまい。見よ、わたしはカルデア人を起こす」。神は信じがたい裁きを行うとの宣言です。「カルデア人を起こす」。カルデア人とは北の強国バビロンを意味します。バビロンは近隣諸国を略奪して巨大な帝国になりました。神はこのカルデア人を用いて神の民を徹底的に叩きのめすと言われました。

 ハバククの視線は社会の底辺で苦しみもがく人たちに注がれています。律法が無力化し、正義がないがしろにされる事態に憤っているのです。私たちもこの時代に対して厳しく祈る責任があります。

 

 【祈り】

 主よ、あなたは生きておられます。立ち上がってください。苦しみ悩む者たちの叫びを聞いてください。

望月 明

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