主よ、あなたがわたしを惑わしわたしは惑わされてあなたに捕らえられました。あなたの勝ちです。 (エレミヤ 20章7節) 聖書の中で最も衝撃的な一言。それは、人間が神に向かって語る、極めて冒涜的な一言でありつつ、極めて宗教的な一言でもあります。人間エレミヤの絶望的な魂の叫びでありつつ、神の預言者の情熱的な愛の告白でもあります。 エレミヤは、主よ、あなたがわたしを「惑わし」たと言います。決定的に魅惑し、徹底的に誘惑したということです。ゆえに、わたしはあなたに「捕らえられ」た、力づくで支配されたのだ、と告白します。あなたはわたしに勝った、わたしを征服した、と。このお方こそ、わたしの神、わたしの愛する主なのだ、と。 エレミヤが預言者として体験したことは、神に対する愛と憎しみ、主への愛の甘さと苦さ、その両方を含むアンビバレントな体験でした。神の熱情がエレミヤを誘惑し、預言者の使命に服従させたのも神の強制力でした。預言者は神の説得に感化されてそれに応じ、神の威圧力に為す術もなく、身柄を引き渡されてしまったのです。 神は御自分の民を、嫉妬するほどの熱情で愛されます。神の民は、その愛に征服される中で、民としての愛と献身を告白できるのです。壮絶なる愛の葛藤の真っ只中で。 【祈り】 神よ、わたしの嘆きと断食とを終わらせ、喜びを味わわせたまえ。 二宮 創(太田伝道所)
聖書の中で最も衝撃的な一言。それは、人間が神に向かって語る、極めて冒涜的な一言でありつつ、極めて宗教的な一言でもあります。人間エレミヤの絶望的な魂の叫びでありつつ、神の預言者の情熱的な愛の告白でもあります。
エレミヤは、主よ、あなたがわたしを「惑わし」たと言います。決定的に魅惑し、徹底的に誘惑したということです。ゆえに、わたしはあなたに「捕らえられ」た、力づくで支配されたのだ、と告白します。あなたはわたしに勝った、わたしを征服した、と。このお方こそ、わたしの神、わたしの愛する主なのだ、と。
エレミヤが預言者として体験したことは、神に対する愛と憎しみ、主への愛の甘さと苦さ、その両方を含むアンビバレントな体験でした。神の熱情がエレミヤを誘惑し、預言者の使命に服従させたのも神の強制力でした。預言者は神の説得に感化されてそれに応じ、神の威圧力に為す術もなく、身柄を引き渡されてしまったのです。
神は御自分の民を、嫉妬するほどの熱情で愛されます。神の民は、その愛に征服される中で、民としての愛と献身を告白できるのです。壮絶なる愛の葛藤の真っ只中で。
【祈り】
神よ、わたしの嘆きと断食とを終わらせ、喜びを味わわせたまえ。