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2コリント2章
「キリストの香りを放つ」


わたしたちはキリストによって神に献げられる良い香りです。
(2コリント 2章15節)

 パウロは、「わたしたちは…神の言葉を売り物にせず…語っています」と述べます(17節)。「売り物にする」とは、たとえば商人がぶどう酒を水で薄めて売るようなことです。いつの時代にも神の言葉を水で薄める誘惑が存在します。神の言葉をいかに忠実に語るかということよりも、人が喜ぶ耳に心地よい言葉を語ることの誘惑です。

 十字架の言葉が水で薄められて売られるとき、見かけは魅力的で、耳に心地よく、人びとを惹きつけるかのように見えることがあるかもしれません。しかし、もはやそこには人の命と死を分かつ神の権威は失われています。人を死から命へと至らせるキリストのよき香り(16節)は薄れています。

 神の言葉が人間の手によっておとしめられることがあってはなりません。当然、そこでは教会は神の力に生き得ません。神の言葉が混じりけのないしかたで語られるなら、御言葉は人を喜ばせるよりも、まずそこに集まる一人ひとりの存在の根本を問う言葉となるでしょう。

 神の言葉とは本来そのような言葉です。救いの言葉は審判の言葉でもあります。説教者の務めは、キリストの口となってキリストを忠実に語ることです。

 

 【祈り】

 キリストの言葉をキリストの言葉として語り、聞くことへと私たちをうながしてください。

木下 裕也(岐阜加納教会)

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