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マタイ5章
「律法の完成者主イエス・キリスト」


「はっきり言っておく。すべてのことが実現し、天地が消えうせるまで、律法の文字から一点一画も消え去ることはない。」
(マタイ 5章18節)

 マタイは、主イエスの語られた言葉を、おそらくモーセ五書に倣い、五つにわけて配置しています。5章以下の山上の説教はその一番目で、律法に関する教えを中心に主イエスの言葉がまとめられています。

 もともと律法は主なる神がご自身の民に与えられた言葉であり、善いに違いありません。しかし、本来善いものである律法が無視され、誤って用いられた事例は、旧約・新約ともに枚挙にいとまがありません。主イエスは山上の説教において、誤った律法理解と解釈をただし、これが律法の本来の姿なのだと語っておられるのです。

 主イエスは、「殺してはならない」「姦淫してはならない」など個々の律法を説明する前に、律法が決してなくならないと明言し、律法を廃止するためではなく完成するためにわたしは来たのだとおっしゃいます。

 新約には律法への批判的な表現がみられます。しかし、それは律法学者やファリサイ派らによる歪められた律法観に対する批判であって、律法そのものへの批判ではありません。

 大切なことは、主イエス・キリストを通して律法を理解しようと努めることです。律法の本質は愛であり、それはすなわちイエス・キリストだからです。

 

 【祈り】

 義なる神よ、律法の完成者キリスト・イエスに従って、律法を理解し、行う者とならせてください。

唐見 敏徳(忠海教会)

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