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詩編44編
「屠るための羊と見なされています」


我らはあなたゆえに、絶えることなく
殺される者となり
屠るための羊と見なされています。
(詩編 44編23節)

 私たちは、神にどのようなことでも祈ることができます。神に対するどんな訴えも、神は必ず聞いてくださいます。私たちは、この世界で起こっていることすべてが神の御手の中で起こっていることを知っています。ですから、うれしいことが起こったときには神に感謝し、実現してほしいことがあるときには神にお願いをします。そして、自分の頭では理解できない苦しみが襲ってきて弱ってしまったときには、神に苦しみを素直に訴えることができます。

 詩編44編は、前半、自分たちの先祖に対する神の偉大な御業をほめたたえて、「我らは絶えることなく神を賛美し、とこしえに、御名に感謝をささげます」と祈っています(9節)。ところが、その直後に「しかし、あなたは我らを見放されました」(10節)と神への訴えを叫びはじめます。この神に対する不満はさらに激しくなり、「我らはあなたゆえに、絶えることなく殺される者となり、屠るための羊と見なされています」(23節)と深刻な状況を正直に訴えています。

 不信仰のゆえに神に文句を言っているのではありません。神への深い信頼があるからこそ、今抱えている苦しみを神に正直に訴えることができます。私たちもどのようなことでも神に祈りたいと思います。

 

 【祈り】

 神よ、自分の力ではどうすることもできない苦しみの中でも、あなたに信頼して歩めますように。

浅野 正紀(江古田教会)

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