ヨルダン川を渡って行けない | 申命記 3章

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申命記 3章

「ピスガの頂上に登り、東西南北を見渡すのだ。お前はこのヨルダン川を渡って行けないのだから、自分の目でよく見ておくがよい。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 申命記 3章27節

ヨルダン川を渡って行けない

モーセに率いられたイスラエル共同体は、神の恵みと助けによって進軍を続けます。南はアラバの海(死海)の東側から、北はキネレト湖(ガリラヤ湖)の東に至るまで占領します。もう約束の地、ヨルダン川の西、乳と蜜の流れる地が目前に迫っています。そのとき、モーセは主に祈り求めます。「わが主なる神よ、…どうか、わたしにも渡って行かせ、ヨルダン川の向こうの良い土地、美しい山、またレバノン山を見せてください」(3章24、25節)。

しかし主は、モーセがヨルダン川を渡って約束の地に入ることをお許しになりません。かつて荒れ野で、共同体の不平不満にモーセは耐えられなくなり、二度、岩を打ってしまいました(民20章8~13節)。これが主の御心にかなわず、モーセは約束の地に入ることができなくなったのです。モーセの人生における痛恨の出来事です。「お前はヨルダン川を渡って行けない」。謙遜なモーセでも民の不平不満に耐えきれませんでした。誰よりも約束の地を切望していてもそれが許されませんでした。

私たちも、誰よりも祈り願っている願いの実現を地上で見ることが許されないかもしれません。そんな厳かな主の御心をも心静かに受け止める者とさせていただきたいものです。

【祈り】

あなたが備えてくださる厳かな現実を、心静かに受け止める心と信仰を折りにかなって与えてください。

芦田 高之(新浦安教会)