今までにないひどさ | 士師記 19章

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士師記 19章

「イスラエルの人々がエジプトの地から上って来た日から今日に至るまで、このようなことは決して起こらず、目にしたこともなかった。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 士師記 19章30節

今までにないひどさ

この章の焦点はレビ人の言動です。旅先でならず者に押しかけられると、側女を外に押し出して自らは中にこもり、側女への暴行を許してしまいます。翌朝レビ人がようやく玄関を開けると、側女が倒れていました。呼びかけても返事はありません。レビ人は故郷に戻ります。そこで丁重に側女を葬ると思いきや、その体を12の部分に切り離し、イスラエルの全土に送り付けてしまいます。そして、「ギブアの首長たちが自分を殺そうとし、側女を辱めた」と訴えました(20章4節以下)。自分が側女を外に押し出したことには口をつぐんで。イスラエルの人びとは「こんなひどいことは今まで見たことがない」とベニヤミン族に対して憤り、戦闘に突入してしまいます。

ここで本当に非難されるべきは、レビ人の極度の身勝手さです。神を離れて生き、人の身勝手さが極まるところ、昔も今も「こんなひどいことは今まで見たことがない」と嘆く事態が引き起こされるのです。キリストは私たちの身勝手の罪を打ち砕き、私たちを神のもとに立ち帰らせ、こうした嘆きを終わらせてくださいます。

吉田 崇(吉原富士見伝道所)