然りは然り、否は否 | マタイによる福音書 5章

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マタイによる福音書 5章

「あなたがたは、『然り、然り』『否、否』と言いなさい。それ以上のことは、悪い者から出るのである。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 マタイによる福音書 5章37節

然りは然り、否は否

社会の慣習の中で、誓いや約束を求められることがしばしばあります。とりわけ信仰に生きる生活は、神と人の前でなされる厳かな誓いぬきには成り立たないと言えるでしょう。洗礼、結婚、教会の務めにつく場合などです。

それでは、「誓うな」という主イエスの厳しい言葉は、何を語るのでしょうか。人は、自分の誓いの誠実さを自ら保証することができません。また、神の名による誓いを自分の目的のために身勝手に乱用する過ちに陥りがちです。さらに、神に対しても人に対しても、自分の都合で然りを否に変え否を然りに捻じ曲げ、状況に合わせるという名目で「然り、否、否、然り」という屈折した道に、すぐにそれてゆきます。ですから、キリストは不用意に誓うことを厳しく戒めておられます。

言葉の真実に幾らかでも近づこうとすれば、然りと否を明らかにする道を探究しなければなりません。その道は、「然り」を「然り」とされたただ一人のお方、イエス・キリストに通じています。人間に対する最後の「否」を十字架で語り、最後の「然り」を復活で完成されたキリストの言葉に養われる人は幸いです。

小野 静雄(瑞浪伝道所・春日井教会)