ウエストミンスター小教理問答の学び 第16問

第16問 全人類の堕落

問: アダムの最初の違反で、全人類が堕落したのですか。

答: あの契約がアダムと結ばれたのは、彼自身のためだけでなく、子孫のためでもありました。それで、普通の生まれかたでアダムから出る全人類は、彼の最初の違反において、彼にあって罪を犯し、彼と共に堕落したのです。


アダムの堕落と全人類

(1) 「アダムの罪と自分とは関係がない」と感じる人は多いと思います。しかし、人類内部の議論を越えて、神様に対し、人は連帯責任を負うべき存在です。
 例えば、家族の誰かが人に迷惑をかけた時、家族は、ある程度の連帯責任を感じて、謝罪をします。あるいは、国家が他の国家に損害を与えた場合も、国民はある程度の連帯責任を感じて謝罪をします。内部で誰が悪かったか、という議論とは別に連帯責任があるのです。

(2) アダムは、全人類の代表として神との契約(神に従って生きるという契約)を結び、これを破りました。そこで、アダムを代表とする人類全体が、神との関係では、契約違反者であり、堕落の状態にあるのです。

堕落からの救い

(1) 人類堕落の教えは、理論的興味のためにではなく、私たちが何から救われなければならないかを示すための教えです。
A. 人の罪と悲惨の根には、神との関係の歪み(契約違犯者であること)があります。これを正さないで、罪と悲惨の改善だけで救いは実現しないのです。

B. 全人類が契約違反者です。救いは通常の人類の外から来るほかありません。
(2) 「普通の生まれ方で」という表現は、聖霊により罪なくしてお生まれになったキリストを念頭に置いての表現です。堕落により神との関係を歪めてしまっている全人類を、神との喜ばしい関係に回復し、罪と悲惨から解き放つことができるのは、普通ではない生まれ方をなさった新しい人、神の子キリストだけなのです。
Copyright (C) 2009 RCJ Media Ministry All Rights Reserved.