月刊誌リジョイス 聖書日課 2019年10月11日(金)

エゼキエル13章 真実を指さす言葉に耐える

  

「平和がないのに、彼らが『平和だ』と言ってわたしの民を惑わすのは、壁を築くときに漆喰を上塗りするようなものだ。漆喰を上塗りする者に言いなさい。『それは、はがれ落ちる』と。」(エゼキエル13:10-11)

 エゼキエルが語り示す預言とは対照的に、イスラエルの人びとの間には妙に楽観的な空気が漂っていました。主の預言者が語る神の怒り、破滅の時を茶化したりもしていました。誰も本当のことを知りたくなかったからです。自分の罪深さと世界の腐敗を指摘する言葉を聞きたくなかった、その日を楽しくやり過ごしたかったからです。

 そのような空気が醸し出された背後には、「むなしい幻を見る預言者」の存在がありました。彼らは、主から遣わされていないのに「主は言われる」と語り、平和がないのに「平和だ」と語り、人びとの目から真実を遠ざける人たちでした。なぜ、彼らはそんなことをしたのか。それは、そうすることが民に喜ばれ、もてはやされたからです。心地よい欺きを民は求めました。そして、民はその偽りに魅了されていく。それは悲しく、滑稽な姿ですが、同じ根を私たちも持っています。

 真実は麗しい姿をしているとは限りません。厳しく、醜くさえある。しかし、真実には力があります。人を変え、生かしめるのは真実だけです。その言葉にこそ耳を澄ましたい。耐えたい。救われたい。

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