月刊誌リジョイス 聖書日課 2019年7月13日(土)

詩編69編 底なし沼からの叫び

  

神よ、わたしを救ってください。
大水が喉元に達しました。
わたしは深い沼にはまり込み
足がかりもありません。
大水の深い底にまで沈み
奔流がわたしを押し流します。
叫び続けて疲れ、喉は涸れ
わたしの神を待ち望むあまり
目は衰えてしまいました。(詩編69:2-4)

 詩人は自分の人生を嘆きます。苦難を底なし沼に譬えて嘆きます。「大水、深い沼、大水の深い底、奔流」。詩人は、弱り果てている中から、救助を神に嘆願します。「深い沼」は「泥沼」を意味し、「滅びの穴」とも呼ばれます。もがけばもがくほど深みにはまり込んでゆく苦難、もはや生きては帰れない死の門から詩人は叫びます。「泥沼にはまり込んだままにならないように、わたしを助け出してください。わたしを憎む者から、大水の深い底から助け出してください。奔流がわたしを押し流すことのないように、深い沼がわたしをひと呑みにしないように、井戸がわたしの上に口を閉ざさないように」(15、16節)。それらに脅かされている詩人は、自分の孤独と絶望のリアリティを、井戸に突き落とされ、上からふたをされてしまいそうなイメージで嘆くのです。

 しかし、詩人は神が必ず嘆願を聞いてくださり、祈りに答えてくださることを確信して、苦しみの中で視線を神に向けます。祈りの苦闘を通過した今、詩人は新しい信仰の次元に立って創造主なる神をほめたたえ、賛美と感謝をささげます。

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