戦争によって祖国を失い、涙ながらに帰郷を願うイスラエルの辛い祈りです。9節の「ぶどうの木」とは、イスラエルのことです。神はひとつの苗を選んでカナンの地に植え付け、これを養い育てて、木は豊かに繁ってその土地を覆い尽くす程に成長しました。しかし今や、神の恵みが取り去られ、獣が食い荒らす廃園となっています。故郷を追われた旧約の民は、自らの歴史のなかでこの悲惨を体験し、痛恨の思いに浸されます。イスラエルを養う方
ヨセフを羊の群れのように導かれる方よ
御耳を傾けてください。…
万軍の神、主よ、あなたの民は祈っています。
いつまで怒りの煙をはき続けられるのですか。
あなたは涙のパンをわたしたちに食べさせ
なお、三倍の涙を飲ませられます。(詩編80:2,5-6)