佐野直史（銚子栄光教会牧師）

メッセージ： 鬼滅と聖書(2)〜あなたに寄り添う救い主

　おはようございます。銚子栄光教会の牧師、佐野直史です。
　「鬼滅の刃」(ジャンプコミックス全23巻・集英社)という漫画をご存じでしょうか。大変人気の作品で、良く知っておられる方も、名前だけ知っておられる方もいらっしゃるかもしれません。今週は「鬼滅の刃」に触れながら、聖書のお話をしたいと思います。

　「鬼滅の刃」とは、主人公の少年・竈門炭治郎が鬼となってしまった妹・禰豆子を人間に戻す方法を探すために戦う姿を描く物語です。「鬼滅の刃」がどうしてここまでヒットしたのか。その理由の一つに、この物語がただの勧善懲悪のストーリーなのではなく、鬼がなぜ人から鬼へとなってしまったのか、その鬼の背景の物語が丁寧に描かれているからと言われています。

　鬼もかつては人間だった。しかし、病・貧困・人間関係の難しさなど、様々なこの世の悲惨や不条理な経験によって、かつての人が鬼になることを誓う物語が描かれているのです。主人公の炭治郎は鬼殺隊の一員として、もちろん何人もの人を殺した鬼を退治します。しかし「鬼もかつては自分と同じ人間だったのだ」と、鬼を憐れみ、その苦しみに寄り添うのです。

　救い主イエス・キリストは神の御子でありますが、この地上に来られ、私たち人間と同じ立場に立ってくださいました。イエス様は私たちの苦しみ、嘆き、痛みを知らない御方ではなく、誰よりも知っておられる御方です。また、私たちが心に抱える様々な闇、汚さを知っておられ、そんな私たちに寄り添い、救いを与えてくださる御方です。その神様が今日もあなたと共にいてくださいます。