あさのことば 2020年4月29日(水)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

杉山昌樹(新座志木教会牧師)

杉山昌樹(新座志木教会牧師)

メッセージ: 暗い顔が変わる時



 いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。
 聖書では意外なことに、たいそう「暗い顔」をして歩いている二人の旅人が登場するところがあります(ルカ24:13以下参照)。この二人はイエスの弟子でした。彼らの希望は、力強く快活なイエスという人にありました。この人ならこの国を、この世界を何とかしてくれる。そんなように考えていったのです。

 しかし、そのイエスは十字架で処刑されてしまいました。ところが、この二人に思いがけない知らせが届きます。それは、イエスは生きていると天使が語った、という知らせでした。二人はひょっとして、と思い、疑いながらも墓に走りました。ところがそこでも、やはりイエスを見つけ出すことはできませんでした。このようにして、二重に失望を味わった二人はとぼとぼと「暗い顔」をして旅をしていたのでした。

 私たちもまた期待が裏切られ、それが好転するかと思っていると、もう一度どん底に突き落とされた。そんな気分を味わわされることがあります。小中学生から始まってお年寄りに至るまで、自ら命を絶ったという悲しいニュースに触れることがしばしばあります。ひょっとしてこの放送を聞いている方の中にもつらい思いを抱えている人があるかもしれません。そして解決を捜して、なかなかたどり着けず、途方に暮れているのではないでしょうか。しかし、ひょっとしたら解決は意外と近くに隠れているのかもしれないのです。

 聖書に登場した、「暗い顔」をした弟子たちは、実は目の前に求めていたイエスがいたことに、後になって気がついています。そしてその時に、自分たちの心が既に燃えていたことにも気がついたのです。

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