キリストへの時間 2019年3月17日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

申成日(広島教会牧師)

申成日(広島教会牧師)

メッセージ: 韓国ドラマ『同伊(トンイ)』を観て

 おはようございます。広島教会の申です。今日は韓国ドラマ「トンイ」を観ての話であります。

 「トンイ」は、『宮廷女官チャングムの誓い』や『イ・サン』を手がけたイ・ビョンフン監督の作品です。「トンイ」は主人公の女性の名前です。正式な名前は「チェ・ドンイ」と言って、韓国の歴史の中で実存した人物です。韓国の朝鮮後期最も繁栄した時代が英祖(ヨンジョ)・正祖(チョンジョ)時代だと言われていますが、トンイは、このヨンジョを産んだ人物、淑嬪(スクビン、正一品相当)崔(チェ)氏であります。

 歴史の記録の中にはあまり資料が無く、ただこの淑嬪崔(チェ)氏が宮廷で働く賎民出身であることから、それを基にして作られたのがこの「トンイ」という作品です。王族、貴族、平民、浅民の階級がはっきり区別されて、その身分を乗り越えることが殆ど不可能であった当時の状況の中で、賎民出身が王から恵みを受け、後(のち)に朝鮮後期の繁栄をもたらした王を産むことになることから、シンデレラ物語のような劇的な反転が数多くあります。

 ドラマの中では、浅民出身でありながら賢いトンイの姿が数多く出てきますが、その中で彼女が王の側室となり、後に英祖(ヨンジョ)となるヨニン君を産んで、その息子嫁を決めるためにその相手の父親に言うセリフがあります。

 「君臨して奪う力ではなく、分かち合う力、恥じることを知る力、そして、何よりも自分が持っているものが、何でもないことを知る力、私はヨニン君にそのような真の力を与えたいのです。そのような力が勝つ世の中を見せてあげたいのです。私は、ヨニン君がそのような世の中を夢見ることを願います。」

 これはドラマですから、本当にスクピン・チェ氏が歴史の中でそのように話したと言う根拠はありませんが、母親として、息子がどのような王となり、どのような精神で国を治めて欲しいのかが良く伺えるセリフだと思います。そして息子ヨニンは王となり、その心に応えて立派に国を治めました。

 勝利の秘訣は強さを見つけ、それをより強くすることだという方程式があるかもしれませんが、スクピン・チェ氏は弱さを知ることこそ、勝利を得る秘訣であると思っていたようです。そのことを考える時、聖書の中でも同じような意味の言葉がありました。

 聖書の中で大伝道者であったパウロは、「自分の弱さを誇る」と言っていました(2コリント12:5)。それは、弱い自分の中に強いイエス・キリストが宿って力強く働いてくださるからです(同12章9節)。

 実際、わたしたちはそれほど強くはありません。あの大きな自然の嵐に対して何もできない無力な者なのです。いくら頑張っても人間としてできる限界があります。しかし、そのような自分の弱さを認めて、神の助けを求める時、神様はわたしたちの中で力強く働いてくださるのです。パウロはその神の力を乞い希うならば、自分の弱さを認め、神様に委ねることこそ強く生きることであると言っているのです。

 「何もかも神頼み」というのではありませんが、人間が出来る領域と神様ができる領域があります。特に私たち人間のもともと持っている罪の問題は神様以外には解決することができません。神様はその人間の罪を解決してくださるために、イエス・キリストを送ってくださいました。イエス・キリストのみが自分を罪から救い出す唯一の道であります。どうかその道を求めて近くの教会に訪ねてみてはいかがでしょうか。

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