熊田なみ子のほほえみトーク 2015年3月24日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

小さな朗読会187「さようならエリヤ」
(「母と子の聖書旧約下」84章)

 イスラエルとユダの王は、しばらくおいておくことにして、いよいよ、大預言者エリヤにさようならを言う時が来ました。
 エリヤは、悪い時代に住んでいました。彼の時代にはアハブ王がイスラエルの王位にあり、その後には、悪い息子アハジヤが王位に着きました。二人よりももっと悪かったのは、偶像礼拝者のイゼベル女王でした。アハブとイゼベルは、イスラエル人の心を神からそむけてしまったため、忠実な僅かな人のほかはみな神様を忘れてしまっていました。
 これらの偶像礼拝の者の王たちに、その罪に対する神様の恐ろしい罰を警告するのが、エリヤの任務でした。王たちは彼を憎み、彼を殺そうとしました。神様の保護があったので、彼は殺されないで済んだのです。悪い王がこの厳しい預言者を恐れ憎んだのも無理はありません。彼はいつも王たちの悪さと偶像礼拝に対する恐ろしい罰とを知らせにやってくるのです。彼らは自分たちの生き方を変えようとはしないで、何度も何度も彼を殺そうとしました。

 ようやくエリヤの働きが終わりました。神様は彼を天に連れて行かれるのです。エリヤに出発せよとの主の言葉がのぞんだ時、エリヤとエリシャはギルガルに住んでいました。老預言者はエリシャに、「どうぞここに留まってください。主は私をべテルに遣わされるのですから。」と言いました。
 しかし、エリシャは、エリヤから離れたがらないで「主は生きておられます。私はあなたを離れません。」と言いました。そこで二人は、預言者の学校のあるべテルに一緒に行きました。預言者たちはエリシャを迎えに出てきて、「主が今日、あなたの師事する主人をあなたから取られるのを知っていますか」と尋ねました。エリシャは「はい、知っています。あなたがたは黙っていてください。」と答えました。エリヤはエリシャに、「ここに留まってください。主は私をエリコに遣わされるのですから」と提案しました。

 しかし、エリシャは自分の先生が天に行くのを見たかったので、「主は生きておられます。またあなたも生きておられます。私はあなたを離れません。」と言いました。預言者たちも何か素晴らしいことが起こるのを知っていました。神様がエリヤのために何をなさるか彼らも見たかったのです。そこで何が起こるか見られるように彼らは高い所に上がりました。

 エリヤとエリシャがヨルダン川に着くと、エリヤは自分の外套を取ってそれを巻きました。そして、川の水をそれで打つと、水は左右に分かれたので、エリヤとエリシャは濡れないで川を渡れるようになりました。渡りきると、エリヤはエリシャに「私が取られて、あなたを離れる前に、あなたのしてほしいことを求めなさい。」と言いました。これに対してエリシャは「どうぞあなたの霊の二つの分を私に継がせてください。」と求めました。「あなたは、難しいことを求める。あなたがもし、私が取られてあなたを離れるのを見るならばそのようになるであろう」とエリヤは答えました。

 二人は、歩き続けました。話しながら歩いていると、実に素晴らしいことが起こりました。空からエリヤを神様のもとに連れて行くため、火の車と火の馬が現れたのです。エリヤは車に乗りました。馬と車はつむじ風に乗って天に上りました。これを見たエリシャは「わが父よ、わが父よ、イスラエルの戦車よ、その騎兵よ。」と叫びました。彼は車が青空の中に見えなくなるまでじっと眺めていました。
 エリヤの外套がエリシャの足元に落ちていました。エリシャはそれを取り上げ、ヨルダンの岸に戻りました。彼は外套を巻き「エリヤの神、主はどこにおられますか」と言ってそれで水を打ちました。水は、先生の時と同じように分かれ、神様がエリヤの代わりにエリシャを選ばれたことを示しました。遠くから見ていた預言者学校の若者たちは、エリシャに会いに来ました。エリヤの霊が彼に留まっているのを見て、彼らはエリシャの前にひれ伏しました。彼らは「しもべらの所に力の強い者五十人がいます。どうぞ彼らを遣わして、あなたの主人をたずねさせてください。主の霊が彼を引き上げて、彼を山か谷に投げたのかもしれません。」とエリシャに言いました。

 エリシャは、エリヤが天に行ったのを知っていたので断りました。しかし、若い預言者たちは、どこかの寂しい谷間か、険しい山にエリヤがいるかどうか探しに行かせてほしいと願い続けるので、とうとう無駄だとは知りながらエリシャは「行きなさい」と言いました。
 五十人は三日の間、山や谷を探しましたが、もちろんエリヤを探し当てることは出来ませんでした。どうしても、昔々、神様がエノクを取り上げられたように、エリヤも地上から天に直接連れていかれたと信じないわけにはいきませんでした。

 この後、エリシャはべテルに行って住みました。その途中エリコを通りました。この町には不作法でいたずらな子供がたくさんいました。これらの子供は、預言者の後を追って彼の悪口を言い指さして、「禿げ頭よ登れ、禿げ頭よ登れ」と嘲りました。彼らは間違ったことをしていました。神様は子供に年を取った人を敬うように命じておられます。エリシャは、振り向いて、主の名によってこの子供たちを呪いました。神様は、二頭の熊を送り、熊はこの子供たちを追いかけて、そのうち四十二人を殺しました。これは老人を敬うようにという子供に対する神様の特別な戒めに従わなかった罰でした。

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