あさのことば 2013年6月11日(火)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

佐藤紀子(上福岡教会執事)

佐藤紀子(上福岡教会執事)

メッセージ: 神の愛

 ご機嫌いかかですか。上福岡教会の佐藤紀子です。
 わたしは現在、看護師として終末期医療に従事し緩和ケアを提供しています。 

 「治らないなら、辛くないようにして欲しい」これは誰もが願うことです。痛みを取り除く治療はどんどん進歩しています。でもどんなにたくさん薬を使っても取りきれない痛みがあります。スピリチュアルペインです。「なぜわたしが癌になってしまったの」「死んだらどうなるの」という魂の痛みです。この痛みに特効薬はありません。
 その魂の叫びを退けずそばにいること、語るままに傾聴し、聴きながら受け止め、肯定する。そして希望を提供するケアです。とても忍耐のいるケアで常に実行できるケアではなく、希望に至る道は険しい道です。神経を研ぎ澄ませて関わる中でその時に出会う瞬間があります。そんな時「神様ありがとうございます。」と祈っています。

 自身の病に希望を失い「早く死にたい」と苦悩し、幼い子供との面会も拒んでいた方が、その思いを吐露し、涙したとき「子供のために」と力を搾り出し、妻への感謝を述べ、子供たち一人ひとりに自分の死を伝え言葉を遺して逝った方との出会いがありました。肉体は滅びても、最後の役割を見出し家族の生きる力を残していかれた姿に感動しました。ローマの信徒への手紙5章5節で「希望はわたしたちを欺くことがありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。」とあるように苦しみにある方々に、希望を提供し続けていきたいと願っています。

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