熊田なみ子のほほえみトーク 2012年7月24日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

小さな朗読会155「土地の分割」「イスラエルを治める士師たち」

第58章 土地の分割

 ヨシュアとイスラエルの民は、まだカナン全土を征服していませんが、ヨシュアは土地を分け始めました。彼は、各部族の大きさに従っておのおのに分割しました。前にも言ったように、レビの部族には48の町が与えられました。どの町の周囲にもレビ人が牛を飼えるだけの土地が少しついていましたが農耕地は与えられませんでした。ヨシュアはまた、のがれの町を6つ決めました。これは誤って人を殺した者が、追っ手から逃げ込める町で、ヨルダン川の両岸に3つずつ設けられました。

 全土が征服されると、ヨシュアはルベン、ガド、マナセの半部族を呼び、「あなたがたはカナン人との戦いが終わるまで、他の兄弟達を手伝う約束を果たして、ヨルダンを渡って来られました。今ここでヨルダンの向こう側のあなたがたの家に帰ってよろしい。」と言いました。それと同時に、神様を礼拝し神様に従うことを決して忘れないように警告しました。これらの部族は、牛、銀、金、青銅、鉄の他、美しい衣類を沢山持って帰ることが許されました。これらのものはみな戦いで殺された異教民族から取ったものです。イスラエル人は、ほしいと思うものをみな持ちました。自分達が建てたのではない住居があり、異教徒から取った豊かな葡萄畑、自分達が植えたのではないオリーブ畑がありました。そして、牛、羊、金、銀、青銅、鉄もふんだんに持っていました。

 これらのものを異教徒から取り上げてよかったのでしょうか。よかったのです。しかし、それは神様が許されたからです。長い長い間、神様は異教徒にこれらの豊かな祝福を与えられていたのですが、彼らはこの神の祝福を正しく使いませんでした。彼らはそれを偶像の礼拝に使い、あらゆる方法で神様に罪を犯してきました。そこで神様は、イスラエル人にその地を取り、それを楽しむように、そして、神様を礼拝するように言われました。

 ヨシュアは民に語り、アブラハム、イサク、ヤコブの神を礼拝するか、それとも偶像を拝するかの二つのうちの一つを選ばなければならない、と言いました。そして「私と私の家は主に仕えます。」とヨシュアは言いました。すると全部の民も自分達も、主だけにお仕えするとこたえました。ついにヨシュアの一生も終わりました。彼は110歳まで生きました。死ぬ前に彼はイスラエルの民に神様の祝福、それに神様の約束が一つもたがわなかったことを思い起こさせました。また、もし彼らが神様に不従順で、偶像を拝んだりしたら神様が必ず罰せられることも警告しました。そうすれば神様は異教徒からこの地を取り上げられたように彼らからも取り上げられるでしょう。民は全て神様がしてくださったことを感謝し、神様に仕えることを改めて約束しました。シロという町に幕屋をたて、楽しく神様に仕えました。

 ヨシュアの死後、イスラエルには指導者がいなくなりました。アロンの息子でアロンの後に大祭司となったエレアザルも死に、その息子が今大祭司になっていました。まだ幾らかカナンに異教徒が残っていました。これらのものを追い出すことを神様が望んでおられることをイスラエル人は承知していましたが、指導者のいない今となってどうすればよいのでしょうか。
 彼らは一番よいことをしました。神様のもとに来て、どうすればよいか尋ねたのです。神様は、ユダの部族が最初に異教のカナン人と戦うために行くべきだと言われました。ユダの部族はシメオンの部族の応援を求めました。神様は彼らに大勝利を与えられました。この勝利の後、ユダとシメオンの部族は、ヘブロンに戦いに行きました。ここはずっと昔、アブラハムが住んでいたところです。アブラハム、サラ、イサク、リベカ、それにヤコブとレアは、へブロンの近くのマクペラの洞穴に葬られていました。しかし、アブラハムがヘブロンに住んでいたのは400年も前のことです。今ではアナク人という恐ろしい巨人の住むところとなっていました。ユダとシメオンの部族は主に助けを求めたので、主は彼らに大勝利を与えられました。

 へブロンは40年前、カナンを探検に行った斥候のうちの一人、カレブに与えられました。これは主を信じた彼の報いでした。ヘブロンを征服した後、ユダとシメオンは、地中海に近いガザ、アシケロン、エクロンの町々と戦いました。ここにも巨人が住んでいましたが、ユダとシメオンは神様の助けを受けてこれも征服しました。


第59章 イスラエルを治める士師たち

 王の偉大な業を見た人々の生きていた間は、イスラエルの民は神様に仕えました。しかし、いまやヨシュアは死にました。大祭司エレアザルも死にました。その時代の人々はみな死に、新しい時代になっていました。

 イスラエルの民は、主の前に悪をするようになりました。彼らは先祖の神を捨てて周りの人々の神に従い、バアルやアシタロテを拝むようになりました。主は怒られました。主は近くの異教徒を動かし、イスラエルの民を困らせるようにされました。イスラエル人は敵に非常に悩まされたので、主はとうとうイスラエル人を憐れんで、よく治めることのできる立派な人々を士師として遣わされました。

 士師の治めている間は、民は主に仕え、主はまた彼らが他の異教国を征服するのを助けられましたが、一人の士師が死ぬたびに、民はすぐ神様を忘れ、異教の偶像を拝むのでした。カナンには異教民族がまだ残っていました。北方のシドンの町の近く、またレバノン山系にはまだ幾らかのカナン人が残されていました。イスラエルの民はこれらの異教民族の間に住み、彼らと結婚もしました。イスラエル人は自分たちの神を忘れ、異教の偶像を拝みました。これを罰するために、主は彼らがメソポタミヤと戦い、征服されることを許されました。8年の間彼らはこの異教の王に支配されました。しかし、全部のイスラエル民族が神様を忘れたわけではありません。忠実な者もいました。これらの人々は神様に助けを求め、神様はそれにこたえて彼らを救い出す人を送られました。これがカレブの弟のオテニエルでした。オテニエルはメソポタミヤの王と戦い、神様によって勝利を得ることができました。オテニエルは死ぬまで40年間イスラエル人を治めました。

 しかし、彼の死後イスラエル人はまた悪を働き、神様はモアブの王が彼らと戦って勝つことを許されました。モアブはヨルダン川の向こう死海の東部にある国です。モアブの王エグロンは、18年間もイスラエルを支配しました。
 ついに民は神様を忘れていた自分たちの罪に気づき、神様に向かって救ってくださるようにお願いしました。神様はその祈りにこたえ、ベニヤミン人エホデを起こされました。イスラエル人は、エホデをエグロン王のところに遣わしました。

 エホデは王のための贈り物を持ってきましたが、エホデの目的は贈り物を渡すことだけではありません。出発する前に、彼は大変鋭い両刃の短刀を作り、それを自分の長い衣の下に隠しました。エホデがモアブに着いてみると、非常に太った王は自分のために作らせた涼しい部屋に座っていました。贈り物を渡した後で、エホデは「王よ、私にはあなたに申し上げる機密があります。」と言いました。エグロン王は一人でエホデと話せるように他のものをみな部屋から出しました。
 エホデは自分の伝えることが誰にも聞こえないように王の耳に囁くようにして王に近づきました。そして、「私は神の命によって、あなたに申し上げることがあります。」と言いました。同時に、彼は自分の鋭い短刀を出してエグロン王を突き刺しました。
 エホデは静かに部屋を出て戸を閉め鍵をかけました。そして、大急ぎで自分の国に帰りました。エホデが逃げている間、エグロン王の家来達は彼が部屋から出てくるのを待っていました。どうして王がいつまでも出てこないか不思議に思っていました。戸を開けようとしても鍵がかかっています。そこで、王は誰にも邪魔されないで昼寝をするために鍵をかけたのだと思いました。
 しかし、そのうちどうも変だと思うようになりました。戸を叩き王を呼びましたが返事がありません。合鍵を探して戸を開けてみると、彼らの王は床に倒れて死んでいました。この間にエホデはモアブ人を攻める軍勢を集めていました。王が死んだのでモアブ人には指導者がありません。エホデとその兵に攻められ、彼らはたやすく征服されてしまいました。これがモアブ人との最後の戦いでした。彼らは二度とイスラエル人を悩ましませんでした。この後、イスラエルは80年間平和でした。  くまだなみこ

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