あさのことば 2012年8月8日(水)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

今井献(東京教会牧師)

今井献(東京教会牧師)

メッセージ: 平和をつくる者

 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
 今週は、敗戦記念日が近づいているので、戦争と平和について考えています。アメリカを中心とするキリスト教文化圏とイスラム文化圏との争いが目立つようになった頃から、日本のような多神教の国は寛容で平和的だが、一神教の地域は非妥協的で好戦的だということが言われるようになりました。この言い方は当っているのでしょうか。

 わたしは、多神教であろうと一神教であろうと、神の名を持ち出して大げさに善悪を判断したり、死を美化して英雄的行為であると言うなら、一神教も多神教も同じであると考えています。
 日本では戦争中、神道的な考え方を日本的で正統的な考えとしたうえで、神風特攻隊に象徴されるように、戦死することの英雄視が広まりました。また、近隣諸国に侵略すると、ほこらを作り、鳥居を立てたといわれます。

 キリスト教でも神道でも、絶対的な価値をそれ自身の宗教の範囲を超えて主張し始めることがあります。自分と隣人の命を神の名で軽視することもあります。すると、人を殺すことが神に喜ばれる良いことであり、自分が死ぬことは殉教であり、英雄的行為となります。その行き着いた先が、いわゆる自爆テロです。自分の死と隣人の死の両方が究極的な善にさえなるのです。

 「平和を実現する人々は幸いである」と新約聖書マタイ福音書5章9節は教えています。平和を実現することについて、キリスト教を含めて、すべての宗教がもう一度考え直すことが必要ではないでしょうか。

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