あさのことば 2012年8月7日(火)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

今井献(東京教会牧師)

今井献(東京教会牧師)

メッセージ: 今を生きる責任

 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
 日本の敗戦を記念する時が近づいています。8月6日には広島に、8月9日には長崎に原子爆弾が落とされました。わたしは小学校から中学校まで広島県の三原市で過ごしましたから、原爆資料館に行ったり、原爆の恐ろしさについての教育を受けました。
 また、わたしの母は、昭和20年の敗戦間際に東京の青山に住んでいて、3月の東京大空襲ではありませんが、5月に起った大空襲を経験しました。焼夷弾が降り注ぐ中、布団をかぶって青山墓地に向かって逃げたときのことを、小学生のときに聞きました。その時のことは今でも覚えており、生きた心地がせず、家族の名前を呼び合って走って逃げたときの恐ろしさを子供ながらに理解しました。

 それでも、昨年3月11日に起った大震災のニュースと映像は強烈であり、原爆資料館で体験したこと、母親から聞いたこととは全く違うものでした。どうしてこんなにも感じかたが違うのかと自分なりに考えてみました。大震災の揺れは東京でも体験し、メディアをとおしてですが今起っていることとして被害を理解していきました。過去のことではなく、被災した方たちを目の前にして、今同じ時を生きているのであり、何かができる、すべきことがあるのではないかと考えました。

 同時代に生きる者には、行なうべきこと、伝えるべきこと、そして将来に対して果たすべき責任があるはずです。それが、今と将来のために生きるということではないでしょうか。戦争を体験した方たちも、自ら伝えることで将来に対する責任を果たそうとしてこられたのだと考えます。

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