山下　正雄（ラジオ牧師）

メッセージ： 愛は忍耐強い

　お元気ですか。ラジオ牧師の山下正雄です。

　キリスト教は愛の宗教だとよく言われます。聖書の中にこんな言葉があります。
　「愛は忍耐強い」。

　普通わたしたちが使ってる「忍耐強い」という言葉には二通り忍耐強さがあります。一つは忍耐強くこつこつと何かをする積極的な忍耐強さです。もう一つは何かをしないでじっとこらえる受身的な忍耐強さです。

聖書がここで使っている「忍耐強い」という言葉のもともとの意味は「感情から遠い」というニュアンスの言葉です。すぐに感情を爆発させて、冷静さを失ってしまう態度と正反対の態度です。感情は熱しやすく冷めやすいものです。しかし、愛は感情と連動して熱しやすかったり冷めやすかったりしてはいけないのです。感情と一定の距離を保っていることが、聖書が教える愛なのです。そういう意味で、聖書は「愛は忍耐強い」と教えているのです。

　もちろん、人間が感情を持った生き物であることは否定できません。感情の起伏があることも人間らしさの特徴です。しかし、そうであるからこそ、感情を持った人間同士が上手に生きていくために、忍耐強い愛が必要なのです。忍耐強い愛をもって相手を受け容れるときに、感情によってかき消されていた相手の本当の一面を見ることができるようになるのです。

　きょうのみ言葉･･･「愛は忍耐強い」（コリントの信徒への手紙一　13章4節）

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