あさのことば 2005年3月29日(火)放送     あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

江尻美穂子(日本YWCA理事長)

江尻美穂子(日本YWCA理事長)

メッセージ: 神様の意志により生まれるいのち


 お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。江尻美穂子でございます。

 昨日、私は、「神様が私たちのいのちを与え、生かしていてくださる」と話しました。それに対して、いのちの誕生には、人間の意志が介入しており、両親が望まなければそれは実現しない、と反論をする方もあるようです。1994年にエジプトで国連の人口開発会議が開かれ、子どもを産むか産まないか、何人のこどもを持つかなどは、女性に与えられている権利であると主張されました。確かに、国や家や男性の都合によって、子どもを産むことを強制されたり、禁じられたりするのは女性の人権を侵害することになるでしょう。しかし、それがいのちを生み出すことを人間の意志で自由にできるという考えにつながるならば、あまりにも短絡的ではないでしょうか。

 現在、多くの人が普通に「まだ子どもを造らないの?」と尋ねます。いのちは神様から与えられたと信じるキリスト教信者でも「私は早く子どもを造りたいの」と何の疑問もなく口にします。確かに、子どもは男性の精子と女性の卵子の結合によって生まれます。現在は人工的に医師が体外でこの結合を行い、受精した卵子を女性の体内に戻すことによって子どもを持つことも可能となりました。人間が子どものいのちを造り出したような錯覚に陥ってもやむを得ないような医療技術です。しかし、この方法によっても子どもを産めない人もいますし、ましてや魂を持った一つの人格を人間が造り出すことは到底不可能なのではないでしょうか。「いのちを造る」のは神様だけに可能なことです。人間の誕生には神様の意志が働いており、それゆえ「子どもを授かった」という言葉が、違和感なく使われていたと思われます。

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