キリストへの時間 2004年12月5日放送    キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

山下正雄(ラジオ牧師)

山下正雄(ラジオ牧師)

メッセージ: 「神、我らとともに」

 おはようございます。山下正雄です。

 街の中、いたるところでクリスマスの雰囲気が漂っています。華やかな音楽、きらびやかに飾られたショーウィンドウ…景気が思わしくない今日この頃とはいえ、それでもウキウキ、ソワソワした気分にさせられます。

 しかし、そのような街の雰囲気にとても気持ちがついていけない方たちもたくさんいらっしゃることでしょう。愛する人を亡くし、初めて一人寂しくこの時を過ごしていらっしゃる方もいます。寒々とした通りで、どうやって明日を生きようかと思い悩んでいらっしゃる方もいます。都会に出た子供たちのことが心配で、元気にしているだろうかと、毎日そればかり考えているお母さんもいます。何年も自分のお部屋に引きこもり、どんな楽しみも受けつけない人もいます。ほかにも、いろいろな寂しさや思い煩いで、クリスマスどころではない気持ちの方はたくさんいらっしゃることでしょう。

 けれども、もしそういった方たちが与ることのできないクリスマスだとしたら、クリスマスはなんと意味のないものでしょう。楽しい人だけが楽しめる、余裕のある人だけが味わえる、そんなクリスマスにどんな価値があるのでしょうか。

 今からおよそ二千年前にユダヤでお生まれになった救い主は、ただ過去の人なのではありません。もし、世界がこぞって、ずっと昔の人の誕生日を毎年のように記念してお祝いしているのだとしたら、そのことにいったいどんな意味があるのでしょう。

 聖書の神は、やがて生まれてくる救い主の名は「インマヌエル」と唱えられると予告されました(マタイ1:23)。「インマヌエル」とはユダヤの言葉で、「神は我々とともにいる」という意味の言葉です。その救い主を通してこそ、わたしたちが最も身近に神の存在を実感できるような、そういうお方だというのです。わたしたちがクリスマスを覚えて、毎年のようにこの日を記念して祝うのは、正にそこに大きな理由があるのです。まことの人としてお生まれになった救い主イエス・キリストがわたしたちの側にいる時に、聖書の神の恵みや慰め、励ましや力を身近に感じることができるのです。

 後にヨハネ福音書を書いた弟子はこう言いました。

 「わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた。」(1:16)

 なんと実感のこもった力強い言葉でしょうか。救い主イエス・キリストとともに過ごす時、満ち溢れる豊かさを感じ、恵みに加えて恵みを受けたと実感できたのです。このあふれ出るような言葉には魂の躍動を感じさせられます。

 またその弟子はこうも言いました。

 「いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。」(1:18)

 なるほど神は目に見えないお方です。手で触ることもできないお方です。しかし、この救い主イエス・キリストと共に過ごした時に、神の存在をまるで身近で見たかのように、はっきりと神を知ることが出来たと言うのです。

 もし、この番組をお聴きのあなたが、今、寂しさや困難のうちにあるならば、そのあなたのためにこそ、クリスマスがあるのだと思ってください。お生まれになった救い主イエス・キリストは、神がわたしたちと共にいてくださることを絶えず感じさせてくださいます。イエス・キリストを通して、神の恵みを、神の励ましを、豊かに受け取ってください。

 この番組を聴いてくださっているあなたの上にクリスマスの豊かな恵みが注がれますようにお祈りいたします。

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