あさのことば 2004年10月19日放送     あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

立石 章三(横浜中央教会牧師)

立石 章三(横浜中央教会牧師)

メッセージ: 「あなたがたは世の光である」


 お元気ですか。横浜中央教会の立石章三です。先日こんな光景を見ました。若い女学生の二人づれが電車に乗り込んできました。その二人づれは座席に座るとすぐ、手に持っていた空き缶を座席の足元に置いて、鏡を出してお化粧を始めました。一生懸命外見をきれいにしているのですが、何ともみっともない光景でした。その上、二人がしゃべり始めると、言葉遣いも話の内容もとても下品でした。暗闇が二人を飲み込んでいくような感じを受けました。

 しばらくして二人が電車を降りた後、残された空き缶が、電車が揺れるたびに、カラコロカラコロと、あちらこちらへと転がり始めました。すると先程まで座っていた、さわやかな雰囲気の若い女性がつと立ち上がって空き缶を 拾い、そのまま電車が止まるのを待ち、降りていきました。彼女の姿はまるで、スポットライトが当たっているような、不思議な明るさに満ちていました。私はその日、暗闇と光を見ました。軽薄さと醜さという暗闇の中にうごめいている人と、希望と尊敬という光を発散させている人です。

 イエスは「あなたがたは世の光である」と言われました。世の光になれと言われたのではありません。あなたがたは世の光だと言われたのです。そうです。イエスは、人間の世界は美しくはない。本当の美しさを覆ってしまうような、偽りの美が横行している暗闇の世界だと言っておられるのです。だから光が必要なのです。何が本当の美しさでしょうか。それは外から塗り付けることができるようなものではありません。その人の内側から滲み出て輝くものです。

 イエスは、私たちの内側に住んであげようと言われます。私たちは外見は美しくなくとも、光であるイエスを心の内に迎え入れるなら、この光が私たちを輝くものにして下さるのです。

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