2020年8月1日(土) ヨエル1章 荒廃した世界で独り祈る人


主よ、わたしはあなたを呼びます。
火が荒れ野の草地を焼き尽くし
炎が野の木をなめ尽くしたからです。
野の獣もあなたを求めます。
流れの水は涸れ
火が荒れ野の草地を焼き尽くしたからです。(ヨエル1:19-20)

 いなごの大群の襲来により荒廃した大地に立つヨエルは、引き裂かれた木々と、枯れた穀物を見つめます。農夫の嘆きと、家畜の呻きを聞きます。そして、それが神の怒りによってもたらされたものであると、受け取ります。大地から穀物とぶどうとオリーブがまったく獲れなくなったからです。いずれもが礼拝に用いられていたものです。

 神は約束してくださっていました。「わたしはその場所で、あなたたちと会い、あなたに語りかける」(出29章42節)。そのための収穫物が枯れた光景は、神が人びととの交わりを拒絶しているように見えました。ヨエルは慌てて人びとに訴えかけます。神に泣き叫べと、嘆きの叫びをあげよと。神は切実に祈る者の声を聞いてくださるお方だからです。

 しかし、ヨエルの呼びかけに応じた者はいなかったようです。ヨエルは独り祈っています。「主よ、わたしはあなたを呼びます」。皆が世界の荒廃に呆然とすることで精いっぱいの最中、神に独り祈る人がいます。その祈りに世界は支えられている、そう思えることがあります。あなたの、その祈りにおいても。