2018年12月27日(木) 詩編38編 救いは罪の深さを超える


主よ、わたしはなお、あなたを待ち望みます。
わたしの主よ、わたしの神よ
御自身でわたしに答えてください。(詩編38:16)

 「主よ、怒ってわたしを責めないでください。憤って懲らしめないでください」(2節)。この悲痛な声を上げている詩人は、痛々しい病の中にありました。周囲の人間はそのような彼を遠ざけて辛く当たりました。詩人はその苦しみを、神からの責めと懲らしめとして受け止めています。

 痛みと孤独に追いやられたそのとき、彼は「今まで自分は神とどのように生きてきたか?」ということに目が開かれ、自分の罪深さに気づかされました。自分の罪を激しく責め立てる正義の主と出会ったのです。

 ところが詩人は、その正義の神が、自分の罪深さを超えて自分を心に留め、顧みてくださるという信頼を失いませんでした。この信頼は、「主はわたしの神である」、そして「自分は神の民である」という主との約束に支えられています。ですから彼は、自分の罪深さを認めつつ、「わたしの主よ、わたしの神よ」と主を呼び求め、「わたしはなお、あなたを待ち望みます」と、正義の主に希望を置くことができました。

 苦しみのとき、主はあなたの罪の深さを超えて、そこに救いを届けてくださいます。