2018年10月30日(火) エレミヤ9-10章 救いに至る知恵


知恵ある人はこれを悟れ。
主の口が語られることを告げよ。
何故、この地は滅びたのか。
焼き払われて荒れ野となり
通り過ぎる人もいない。(エレミヤ9:11)

 エレミヤの預言から裁きの言葉を毎朝聴き続けるのは苦行にも感じられます。世の中には人の過失を責める暴力的な言葉が至る所にある一方で、メディアでは正しい批判さえ避けて何事も丸く収めようとする傾向があります。教会でも人間の罪性を指摘する御言葉を避け、愛と希望だけを優しく語りかける説教が好まれます。しかし、神の言葉は人間の好みに合わせて語られてはいません。聖書は真実を語ります。

 イスラエルの歴史に刻まれた人間の深い罪の性質は、歴史の彼方で語られる他人事では済まない、神の目から見たありのままの人間の姿です。預言者を通して語られる神は、そこから目をそらさないで知恵を得よ、と、時代を超えて世界に呼びかけます。

 しかし、その罪の真実を認めたところで、自分の力でどうにもできないのが人間です(10章23節)。それを知るしもべは、神の正しい裁きにすべてを委ねて、あとはただ憐れみを乞うています。ここに救いの道が始まります。神は怒りに任せて滅ぼす方ではなく、むしろお造りになったすべてのものを愛ゆえに贖う道を備えてくださいます。