2018年10月24日(水) エレミヤ1章 預言者の召命


「わたしはあなたを母の胎内に造る前から
あなたを知っていた。
母の胎から生まれる前に
わたしはあなたを聖別し
諸国民の預言者として立てた。」(エレミヤ1:5)

 エレミヤはユダ王国滅亡に至る激動の時代を生きた孤高の預言者でした。エルサレム近郊のアナトトにある地方聖所の祭司の家に生まれた彼は、若くして主の召命を受け、「諸国民の預言者」として預言活動に身を投じました。神の裁きを告げる言葉の厳しさゆえ、地元からは疎まれ、王宮から命を狙われた、そんな彼の苦難のしもべとしての姿はイスラエルの記憶に刻印されています。

 迫害は、その召しの初めから予告されていました。周囲におもねって真実を語るのを止めれば、あるいは無難に過ごすことができたかもしれません。しかし、生まれる前から神に選ばれ、その務めのために生を与えられたと聞かされて、エレミヤは生涯を神に明け渡さざるをえなくなりました。そして、脅かされても揺るがない神の口となりました。

 神はご自分の言葉を成し遂げるために、永遠の昔からしもべを選んで世に送ります。その崇高な召命にしもべは堪え難い苦痛を覚えながらも、真理である言葉に命をささげます。そこに真の預言者の証があり、来るべきメシアが予告されます。