2018年10月10日(水) 詩編18編 主への感謝の賛美


主よ、国々の中で
わたしはあなたに感謝をささげ
御名をほめ歌う。
主は勝利を与えて王を大いなる者とし
油注がれた人を、ダビデとその子孫を
とこしえまで
慈しみのうちにおかれる。(詩編18:50-51)

 表題には「主がダビデをすべての敵の手、また、サウルの手から救い出されたとき、彼はこの歌の言葉を主に述べた」とあります。サムエル記下22章では、ダビデ王の生涯を総括する部分で、この歌が記録されています。この詩編を読むとき、読者は自然にダビデ王の生涯について思いをはせることになります。

 この詩編の根底に流れているのは、主への感謝です。サウル王の次に王となったダビデは、サウル王に仕えていたときも含めて、何度も人生の危機を経験しました。けれども、ダビデはそのすべての危機から、主によって守られてきたと感じています。この詩編に込められているのは、自分を救ってくださった主なる神への感謝の賛美です。

 このダビデの主への感謝の賛美は、読者である私たちをも主への感謝の賛美に向かわせます。使徒パウロはローマの信徒への手紙15章9節でこの詩編を引用して、もはやユダヤ人、ギリシア人に関係なく、すべての人の口に主への感謝の賛美があふれるようになると力強く語ります。「主は命の神。わたしの岩をたたえよ。わたしの救いの神をあがめよ」(47節)。