2018年8月18日(土) 出エジプト21-23章 目には目を


もし、その他の損傷があるならば、命には命、目には目、歯には歯、手には手、足には足、やけどにはやけど、生傷には生傷、打ち傷には打ち傷をもって償わねばならない。(出エジプト21:23-25)

 昔、『目には目を』という外国映画を見ました。妻の診療を断わった医師に男が復讐をし、最後は医師が砂漠に取り残されるというあらすじでした。徹底的に復讐しようとする男の執拗さには恐ろしさを覚えました。

 聖書の「目には目を」という戒めは、受けた仕打ちに見合う仕返しを許可しているわけではありません。誰かから何らかの損傷を体に受けたとしても、仲裁者の裁定を待つべきこと、また、勝手に復讐することを禁じる戒めです。その上で、加害者の償いは、与えた損傷以上のものであってはならない、という戒めです。

 近代国家では、人の目を傷つけた加害者の目を傷つけるという刑罰を科すことはありません。しかし、正当な裁きのもとで、罪に対して相応の処罰が与えられます。そこに、律法の精神は生かされています。

 それでも、罪のもたらす悲惨は、被害者にも加害者にも大きな重荷としてのしかかります。人にはとても負い切れません。完全な罪の償いは、神の御子の十字架の贖いによってだけ成し遂げられました。