2018年7月28日(土) 出エジプト13章 受け継がれた信仰


「あなたはこの日、自分の子供に告げなければならない。『これは、わたしがエジプトから出たとき、主がわたしのために行われたことのゆえである』と。」(出エジプト13:8)

 以前、中国の東北部にある朝鮮人教会を訪れた方から聞いた話を思い出します。

 一人の脱北者男性がその教会で洗礼を受けました。その男性は母親を亡くした後に、その母親の遺品の中から大事にしまわれていた聖書と賛美歌を発見したと言うのです。現代でも北朝鮮ではキリスト教の文書を持っているだけで強制収容所に送られる可能性があります。その危険を冒してまで母はなぜ、聖書と賛美歌を大切に持っていたのだろうか。男性はその秘密を知りたくなり、命がけで脱北し、中国にあるその教会で聖書を学び、自分も母親と同じ信仰を得ることになったと言うのです。

 おそらくその母親は、生前には自分の信仰について何も家族に語ることができなかったのでしょう。しかし、その母親は自分の聖書と賛美歌を棄てることなく、大切に守りぬくことでその信仰の遺産を息子に伝えることができたのです。

 彼女は聖書を遺すことで、信仰を次の世代に告げました。私たちも与えられた時のなかで聖書の御言葉に耳を傾けることを通して、信仰を家族に残して参りましょう。