2018年3月25日(日) マタイ27章11-54節 試練を乗り越える備え


イエスは大声で叫ばれた。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。(マタイ27:46)

 主イエスは十字架の死がご自身の使命であり、預言者が語ったとおり必ず実現することをご存じでした。時が近付くと、主は弟子たちにあらかじめ知らせましたが、弟子たちには理解力がなく、もだえる主イエスと共に祈るために目を覚ましている力すらありませんでした。

 主はもだえておられましたが、小さい時から聖書に親しまれ、多く暗唱もされたお方です。主イエスの心に深く刻まれていた御言葉こそが、かの時に不思議に試練を乗り越え、救いのわざを完成させる力となります。十字架上で語られた主イエスの「七つの言葉」の最後の四つは実は詩編の引用です。偶然、主イエスの口にのぼったのではありません。

 主イエスが「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と叫ばれた時、救い主は詩編22編の全体を思い起こしておられたはずです。前半は主の民の、まさにご自身の苦しみを描いている一方、後半は、そこで死から解放されたご自身の福音を世に告げ知らせる姿が描かれています。これを思い出しながら、誰にも耐えられない苦しみに耐え、救いのわざを成し遂げられました。ここにある尊い教訓を見逃したくありません。