2016年12月21日(水) ルカ2章(1) 飼い葉桶に眠る御子


彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」(ルカ2:6-7)

 ローマ帝国が行った人口調査は、住んでいる町で行うのが一般的であったようですが、ユダヤでは部族や氏族が重要であったため、先祖の町で登録することになったようです。命令する側は簡単ですが、身重の者、子どもや老人は大変な思いをしたことでしょう。庶民が政治に翻弄されている姿があります。

 小さなベツレヘムは人で溢れ、客間はすべて先約でいっぱいになっていました。馬小屋は夜間に牛や羊を野の獣や泥棒から防ぐ目的で入れておくべき所で、このあたりに多い洞窟の一つではなかったかと言われています。

 それにしても何という貧しい姿でしょうか。敷き布団の代わりとなったのは干し草であり、飼い葉桶が揺りかごであったのです。バリトン歌手の今仲幸雄さんが『クリスマスオラトリオ』を説明して、バッハは主イエスの貧しさをせめて音楽で飾りたかったのではないか、と言っておられたことを思い出します。

 私たちの救い主が誰よりも貧しい境遇にお生まれになったことに感謝いたしましょう。このような方であるから、私たちを思いやることがおできになる救い主なのです。